演武会参加は代理からでした~押しに弱い中年会社員武術家が初参加に至った経緯
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創造と工夫、心に明かりを
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さて、何事にも切っ掛けというものがあります。
中年会社員武術家JunoIwamiの場合、演武会を見る側ではなく「やる側」として参加する事にも切っ掛けがありました。
そもそも私は演武会に出ることに積極的でなかったのに、なんで出たのか?
今回は、そんな「演武嫌い」の中年会社員武術家JunoIwamiが演武会に出る事になった顛末です。
●1.帰省なら仕方ない
●2.代理参加、いけるよね?
前回の記事で参加者を探す様子が「なまはげのようだ」と言いました。
捕まらなければどうという事はないと踏んでいたのですが、思いの他呆気なく捕まりました。
目次
<<●1.帰省なら仕方ない>>
私は当時、演武については積極的でなく、そうした誘いがあっても基本的に参加を見合わせてもらっていました。
会場に足を運ぶけど、演武は遠慮するというスタンスです。
ところが、ある年の演武会を控えた時期に、周りからヒソヒソと声が聞こえます。
「形意拳…」
「刀…」
「帰省…」
「他の人…」
言葉の断片から「形意連環刀(けいいれんかんとう)」の演武を行う人が、帰省のため出られなくなったようです。
帰省なら仕方ありませんね。
「でもまあ、別に他にもたくさん人もいますし、問題ないのでは?」
あくまで他人事を貫く気が満々でした。
<<●2.代理参加、いけるよね?>>
ただ、何となくですが、言葉の矛先が私の方を向いているような気がします。
ちらちらと視線のようなものも感じます。
私も武術家の端くれです、そうした「気配」じみた感覚は分かります。
だから聞こえないふりをします
(わたしはなにもきこえていない)
誰かが近づいてくるようですがここで振り向いてはいけません
目を合わせないように後ろを向いたまま練習を続けます
(ふりむいてはいけない)
ですが、そんな武術家の勘なのでしょうか
「ああ、今回は逃げられんなあ」
そう思いました。
振り向くと、すぐ後ろに我が師である馮正宝老師が満面の笑みで立っています。
馮先生「刀、やれる?」
参加の可否ではなく「何をやるか」を聞いてきます。否応なしです。
私「いや、…」
(中略)
私「いえ、ですから…」
(再び中略)
私「…はい、やらせていただきます」
「弱い!」と笑いたければ笑ってください。
こうしたやり取りの末に今があると思えば、いくらでも笑えます。
そもそも、その出られなくなった人の話を私のすぐそばで話している時点で、もう決まっていたのでしょう。
流石の手腕です。こういうのを「始まった時には終わっていた」状況というのでしょう。
なにはともあれ、いささか強引ではありますが、参加が決まりました。
参加には不安の方が多く、自分の意志ではどうしても無理な状況というのは確かにあります。
しかしそんな頑なな心は、馮先生の熱心な説得(?)により覆されました。
やや強引な、でもグイッと手を引っ張ってくれる力強さ。
今となっては、私に新しい一歩を踏み出させてくれた一押しと感じます。
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▼個人的な経緯
●かつては演武が嫌いだった?~中年会社員武術家が演武に積極的でなかった理由
●それは誰かの笑顔の為に~中年会社員武術家が演武会の参加を続ける理由
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<目次>
▼はじめに
●「演武」って何?~そんなあなたへ中年会社員武術家が取り組みと 目的を紹介します
▼演武の種類~徒手、素手~
●演武って結局何するの?~実際に大会に参加した中年会社員武術家が一人でやる演武の内容を説明します
●集団が魅せる演武の美~規律が生む演武の美しさをたっぷりお聞かせしましょう
●分かりやすい演武はいかが?~二人一組でやる演武は迫力と連携に瞬きを忘れます
▼演武の種類~武器~
●中国拳法の武器ってどんなの?~ではまず「刀」の魅力と演武の見どころを説明します
●見栄え良し、機能良し~中国拳法の武器に高貴さを求めるなら「剣」こそ相応しい
●使いやすさという最大の強みを活かせ!~中国拳法の棍術は「しなる」迫力が魅力です
●人類最古の歴史を持つ武器~中国拳法における「槍」は武器の王と呼ばれています
▼演武会の楽しみ方
●「見て楽しむ」中国拳法~演武者との一体感を得る3つの取り組み
●演武会に行くのは初めてかい?~では、日本古武道演武大会に行った時の「どよめきと驚き」の話をしよう
●日本古武術の演武が見たい?~私なら日本古武道演武大会を楽しみに待ちます、2月開催ですけど!
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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す 岩見より