中国拳法の武器ってどんなの?~ではまず「刀」の魅力と演武の見どころを説明します

創造と工夫、心に明かりを
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さて、
中国拳法の演武では武器法も披露されます。
「ほう、で?中国拳法の武器ってどんなのよ?

今回は、そうした武器の一つ「刀」についてお話します。

中国拳法の場合、「刀」と書いて「とう」と読みます。
演武会でも武器演武のトップバッターとして演武されることが多い、スタンダードな武器です。

●1.刀~形状
●2.刀~使い方
●3.刀~演武の見どころ

目次

<<●1.刀~形状>>

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唐突ですが、私は「刀」と「剣」の違いを知りませんでした

聞けば、片方に刃があるのが「刀」
左右両方に刃があるのが「剣」
という事です

日本刀は確かに確かに片刃なので「刀」ですし
日本神話やゲームで出てくる草薙の剣はイラストを見る限り両刃です。

「ほ~」とうなづきましたが、この単純な違いを知っている人が(私を含めて)少ないのも事実です。

そしてその形状は、使い方にも違いを出してきます

<<●2.刀~使い方>>

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中国拳法で初めて武器を習う場合、この刀か棍(こん)になると思います。

なぜか?
それは初心者でも武器として使いやすいという理由が挙げられます。

刀という武器は「切る」事が主な使い方になります。
そして切るための刃が片側にしかないため、実質的な攻撃は刃のある方を中心に組み立てられます。

「手に持っている武器の特性を活かして、どうやって武器を使い、相手を倒すか」
そうした方法論や考え方を学ぶには、攻撃方法が剣よりも少ない刀の方が集中して学べます。

複雑な使い方をしたり、特別な使い方を学ぶより
「まずはスタンダードな使い方から」
そうした必要十分な使い方を学べるのが「刀」の特徴です。

<<●3.刀~演武の見どころ>>

「刀」というのは武器の名称です。
そのため使い方によって様々な名称が与えられます。

太極拳では太極拳の技術を用いた「刀」の扱い方があり、それを「太極刀」と呼んでいます
とはいえ、この「太極刀」は一つではなく、48の動作で構成されている「48式太極刀」、或いは古くからある型で「楊式太極刀」など非常に多くの種類があります。

また形意拳では「形意連環刀」として、
八卦掌には「八卦刀」として、
または跳躍動作の多い激しい型もあります。
それぞれの拳法における刀の型があり、各拳法の風格をそのままに刀を使う方法を示しています

「刀」という一つの武器が、
「切る」という単純なだけの動作が、
実に多彩な可能性を持つか、分かっていただけると思います。

<<演武会という機会に向けて>>

演武での刀は実直さが前面に出ており、華美さはありませんが分かりやすい構成になっています。
刀の演武を見せる事は、映画などで見て抱く「漠然としたイメージ」をすこし現実に近づける良い機会と思っています。

そして「かっこいいな」とか「面白いな」など思っていただければ、演武者の一人としてとても嬉しいのです。

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<目次>
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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す  岩見より

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