冬の旧古河庭園は引き算の美しさを感じた~東京都北区の名所

東京都北区にある名所のひとつ「旧古河庭園」
バラの咲き誇る洋風庭園と情緒を感じる日本庭園のコラボレーションは、和洋折衷の良さを感じさせてくれます。

以前は秋バラの季節の旧古河庭園について話しましたが、今回は冬の旧古河庭園について話していこうと思います。

そこにあったのは静謐な空気。

これこそ日本の美。
引き算の美しさ。

冬だからこそ見ることができる色の落ちた世界を堪能できました。

目次

旧古河庭園の基本情報

旧古河庭園は東京都北区にある日本庭園と洋風庭園と洋館が特徴です。

 ゆるやかな傾斜からは庭園が一望できます。
傾斜部には春のバラや秋のバラで彩られる洋風庭園が楽しめます。
傾斜部を下ると日本庭園に入ります。

和洋折衷の良いとこ取りの配置と言えましょう。

この場所は元々は明治の元勲・陸奥宗光の邸宅であり、のちに古河家の所有となりました。

設計者はジョサイア・コンドル博士
旧岩崎邸庭園洋館、鹿鳴館、ニコライ堂を手がけたことで有名な方です。

教科書の近代史に名前が乗る人たちがサラッと関わっているのを知った時は実に驚いたものです。

所在地は東京都北区西ヶ原一丁目

開園時間は午前9時~午後5時(入園は午後4時30分まで)

入園料は一般(大人料金)150円、65歳以上は70円
小学生以下及び都内在住・在学の中学生は無料となっています。

敷地内の洋館「旧古河邸」に入るためには事前予約と別途料金が必要です。

もっと知りたい方は公式ホームページをご覧ください。

冬の旧古河庭園を歩く

冬空の晴れ渡った12月下旬。

旧古河庭園に足を運びました。

冷たい空気と太陽の日差しのコントラストが、バラの咲き誇る季節との違いを感じます。

冬のバラ園は翌春に向けて

冬の旧古河庭園はバラの花はなく、緑の濃い葉が風になびいていました。
きれいに揃えられた枝葉が全体的な造形美を作り出しています。

また、この時期は翌春に向けての準備がされています。
地面に敷かれたシートによる防寒対策を見ても丁寧な仕事ぶりがわかります。

こうした風景は落ち着いた雰囲気があって好きですね。
春や夏にはない静かな光景が心にしみる。

高所から見下ろすバラの庭園。

春や秋になるとここは色とりどりのバラとそれを見に来る人たちでごった返します。

こうした時期にあえて来ることで、枯れたバラ園のシンプルな美しさを感じることが出来ます。

そして翌春にはここがまたバラに彩られる。

そんな想像をするのも地味に良いものです。

バラ園から旧古河邸を振り返る。

落ち着いた色合いの邸宅とバラを背景に老夫婦がゆっくりとした足取りで階段を下っていた。

日本庭園で静かな空気に浸る

西洋庭園のある斜面を下ると日本庭園に入ります。

まずは岩とコケ、そして枯れた紅葉。

影と日差しの競演に慣れ親しんだ日本人の感覚が馴染む。

苔むした石垣。

歩くたびに枯れ落ちたモミジがサクサクと音を立てる。

小さな川の流れの先に池があり、地面には手水鉢がある。

バラ園同様に季節は色彩度が低い。

これはこれで枯れた美しさを感じる。

「そうか、これが引き算の美しさというやつなんだな」

池の周りには松の木や石灯籠

松の木には枝が雪の重みでが折れないようにと笠のような骨組み。

雪吊りというらしい。

職人さんたちが一つ一つ丁寧に作っていた。

池は「心」の字に似せて造った池で、日本庭園の中心となっています。

人がいないので水が立てる静かな音が心地良いです。

時間が止まっているかのような感覚が良い。

少し離れたところにある茶室

侘び寂びですね。

ぐるっと歩いて邸宅の横に出てきて散歩終了。

うん、満足。バラも紅葉もない。

だからこそ、そこにある剥き出しの美。

なにもないけどそこにある。

究極の引き算が日本ならではの慎ましやかな美しさではないだろうか。

光、音、色彩。

冬にしか見れないこの景色は本当に良いものです。

地元の名所の四季折々の魅力を知ることが出来ました。

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内部リンク

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外部リンク

日本庭園と洋風庭園が調和~旧古河庭園

洋館「旧古河邸」