最初の演武者だけが味わえる極上の「放置プレイ」は出場者の憧れです

放置

 

 

 

 

 

 

 

photo credit: Gadwall immature-eclipse Male via photopin (license)

創造と工夫、心に明かりを
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さて、演武会というものには必ず「トップバッター」がいます。
最初の演武者というわけですね。
中年会社員武術家JunoIwamiは、初めて出場した大会でいきなりトップバッターとなりました。

あの時の緊張感は極上のもので
「もう一度味わいたいだろう?」と言われれば

「味わい深すぎるので他の人に譲ります」
と即答します。

今回は、そんな「最初の演武者」が味わうことのできる極上の「放置プレイ」についてお話しします。

● 最初の演武者の役割
● 審判団集まれ
● 経験者はアテレコをする

出場者なら、この緊張感に憧れを抱くでしょう。

最初の演武者の役割

トップバッターである最初の演武者は、ただ演武するだけの存在ではありません。
ルール上のある役割があります。

それは「次からの選手達の基準点となること」です。
つまり、初めの演武者(選手)の演武内容と点数を基準として、その後の演武者の点数がつけられるのです。

その責任たるや、月面への第一歩を踏み出した宇宙飛行士に劣るものではないでしょう!

審判団集まれ

さて、ではどのように最初の演武者の得点がつけられるかと言いますと、とても単純です。

演武直後に
演武者をコートの外に待機させたまま
審判団(通常4〜5名程度)がコート中央に集まり
30秒から60秒かけて話し合いを行い点数の内容確認と合意を取る
その上で審判団は元の席に戻り
そして点数を発表する

…この間、最初の演武者はただただ待ち続けるだけしかできません。

審査

この待ち時間の長いこと長いこと!!!

まさに極上の「放置プレイ」
だれからも干渉されることなく。
だれにも助けを求められない。

「ああ、今の私ってまな板の上の鯉の気分ね」
と天井をみながら発表を待ちます。

経験者はアテレコをする

ただ、こうした点数待ちも数回経験すると、なんとなく慣れてくるのが人間の怖いところ

「演武終わったし、後は点数の発表まで待てばいいや」
そんな風に思うようになったら多少は余裕が出てきます。

そこで何をやるかというと「アテレコ」です。
中央に集まった審判団を見ながら(頭の中で)声当てをしていきます。

「さっきの動きはぐらつきが出たな」
「跳躍の高さは良かったのではないか?」
「…腹減ったよな」
「意識が中盤で途切れて動きがぎこちない印象を受けたのだが…」
「それより、どうよ、今夜一杯」
「イイネ!」

もちろん声ば出しませんが、なんとなく茶目っ気を入れながら脳内会話をしています。
そんなことをしながら、嘘でも緊張感を和らげないとやってられません。

おわりに

私が初めて出場したときは、そうした役割があるとは思っておらず
なかなか点数が決まらない状況を見て

「やばい、何か大きなミスをして、その点数をどれだけ引くのか話し合っているのか?」
とドンドンと自分で追い詰めていっていました。

こうしたルールがあるとわかっていれば、アテレコとまでは言わないまでももう少し落ち着いて審判団を見ることができたかもしれませんね。

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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す  岩見より