兵器や器械、長兵器と短兵器~中国拳法の武器は一風変わった分類名が心をくすぐります
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創造と工夫、心に明かりを
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さて、中国拳法には様々な武器の類があります。
刀、剣、棍、槍、そうした武器について説明は行いましたが、いったいどのように分類されているのだろうと思ったことがあります。
「長い武器」「短い武器」?
もう少し格好の良い呼び名があっても良い気がします。
そこで今回は武器の分類名について話をしたいと思います。
中国拳法っぽい響きがあって心をくすぐります。
兵器」または「器械」と呼ばれてます
長兵器と短兵器
目次
兵器」または「器械」と呼ばれてます
中国拳法では武器を「兵器」または「器械」と呼びます。
「兵器」というとやや大げさに聞こえるためか、最近は「器械」と呼ばれることが多いようです。
大きな演武大会などでは武器術を披露する時間帯は「器械の部」として、プログラムが組まれています。
小さな演武会では、見に来てくれる人たちに分かりやすいように「武器術」と書かれている事が多いです。
長兵器と短兵器
分類はとても単純で、武器の長さで分けられています。
長い武器と短い武器、それぞれの名前は下のようになっています。
長兵器~両手で扱う柄の長い武器
棍(こん)や槍(やり)など、長い柄を持った武器を長兵器と言います。
具体的な長さではなく、その長さゆえに両手での扱いが必要とされる武器や間合いの遠い武器を対象としています。
その長い間合いを活かし、相手を近づけさせずに制する技術がふんだんに盛り込まれています。
短兵器~片手で扱う使いやすい武器
刀(とう)や剣(つるぎ)などの片手で扱う武器は短兵器と呼ばれます。
日本刀のように両手で握るタイプの武器も、こちらに分類されます。
長兵器と違い間合いが短いのですが、小回りが利き、応用範囲が広いのが特徴です。
持ち運びも楽なため、練習場所を選ばないというとても現実的なメリットもあります。
いかがでしたでしょうか?
日本語としてはちょっと馴染みがありませんが、こうした名称を知っていると、本や大会案内を見るときに「ああ、武器の事ね」と安心できます。
演武会に足を運ぶ時はこうした豆知識を入手しておくと、チョットだけ楽しくなります。
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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す 岩見より