あの涙があったからここまでこれた~努力を打ち砕かれてもあきらめなかった夏合宿

創造と工夫、心に明かりを
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さて、
悔し泣きの記憶はありますか。人目をはばからず泣いてしまった時です。
多分、今を過ごす方たちはそういうのは「カッコワルイ」ものとして敬遠するでしょう。
私も思っていました。
しかし時間を経て思い返しますと、その涙が私を踏ん張らせてくれたのだとそう思う時があります。
今回は、そんなやや思い出語りモードのお話です。

目次

そうそう上手くはいかない

中学、高校が写真部→帰宅部だったのに、
大学に入ったとたん少林寺拳法部に所属するというダイナミックにもほどがある方向転換をやったわけですが。
(このあたりの経緯についてはここここを参照してください)

まあ、正直体力が追い付かないわけですよ
趣味が読書と音楽鑑賞とゲームという超インドア派経歴は伊達ではありません

しかし周りの同期は、やれ格闘技経験者だの、自宅近くの道院(少林寺拳法では道場ではなく、道院と言います)に通っていた人だのがひしめいており
言い訳無用の雰囲気もあったわけです。
そしてなけなしのプライドが「足を引っ張ったら嫌だな」と囁いてくるのです。

そんな訳で、走り込みを始めました。
大嫌いな持久走です。何とかしたいと思ったので、何とかなりそうな手段をとったのです。

この時は知りませんでした。
そんなちゃちな努力が、3時間と経たずに粉砕されることなど…

夏合宿に向けて

学生の本分である学業や移動時間を見極め、僅かな時間ですが朝走るようにしました。
勿論時間は限られているため、そんなに長時間は確保できず、また走る距離も少ないものでした。
しかし、走れば何とかなるもので、僅かずつではありますが、一度に走れる走行距離が延びていきました。

そんな折に訪れたのが夏合宿です。当り前ですが強制参加です。拒否権って何?
散々厳しさを教えられてきましたので、せめてスタミナくらいは確保したいと、走り込みも継続しました。
おかげで自分の中では最高の走行距離をマークし、ある程度の自信を持っての参加となりました。

夏合宿、初日午前中、九十九里の浜辺にて

現実は非常です
私の自己最高の努力は、僅か初日の午前中で完膚なきまでに潰えました。

砂浜でのランニングです
噂には聞いていましたが酷いものでした。
足はとられ、引き抜こうにも引き抜けず、それでもなお走らされます。

合流したOBの先輩が横で怒声を上げながら私と並走します。
とても足を止められる状況ではありません
というか、止めるという思考すら働きません。

もう最後の方など
涙と
鼻水と
よだれで
顔をグチャグチャにしながらも走らされました

稽古が終わり、昼食のために皆が宿に帰っていく中、私は部長に連れられながら、
朦朧とした意識のまま、上がらない足を引きづりながら宿に戻っていきました。
私は泣きながら歩きました、ついていけなかった事が悔しかったのはもちろんですが
自己最高の走行距離まで伸ばした走り込みが「結局人並以下だった」ことに、身が捩じれるような悔しさを感じ、泣きました。

苦難を乗り越えた先にある裸の自分

しかし、だからこそ得るもの、感じるものがありました
宿までついてきてくれた部長、食堂で迎えてくれた先輩や同期
「食えるか?」と聞いてくれたOBの先輩…いや待て、半分以上お前が原因だからな!とは言えません
「支えられているんだな」と思いながら、泣きながら昼を少しだけ、食べました

グチャグチャになって走って流したのは、たぶん汗や涙だけでなく、理性やつまらない見栄だったのだと思います。
その後に残った「今までより裸に近い自分」は、少なくても今まで自分ですら見たことのない自分でした。

もう少し、この裸に近い自分で頑張ってみようかな、そう思って
続けて、工夫して、頑張って
耐えきれずに泣き言をいう事もあるけど、それでもここまで踏ん張って続けてこれたのは、こうして流した涙があったからだと思います

カッコワルイ、いいじゃないですか
ちょっと変でも、見栄えが悪くても
一生懸命やっていることはそれだけで尊いのだと私は思うのです。

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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す  岩見より

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