3つの拳法の精華をここに~名人が創設した拳法「孫式太極拳」

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創造と工夫、心に明かりを
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さて、
中国の文化で面白いところは「混ぜる事」が得意なところだと中年会社員武術家JunoIwamiは感じています。

実は太極拳においても、そうした混ぜることを行い、エッセンス抽出し、なおかつ混ぜる前の拳法の風格を残すという、とても贅沢な太極拳があります。

それが今回紹介する孫式太極拳です。

●1.3つの拳法の精華を集結
●2.姿勢はやや高く、快活に動く

混ぜる目的は、自分にとって本当に必要な要素を見極めていくためです。
混ぜて、こねて、抽出して、余分なものは切り捨てる(または一部を残す)。この繰り返しの果てに創設された精華の集合体といえる太極拳です

<<●1.3つの拳法の精華を集結>>

孫式太極拳の創始者は「孫禄堂」という人物であり、近代における名人の一人としてとても有名です。

その生没年が、1861年から1932年ということから、孫式太極拳は比較的新しく創設された拳法と言えます。

その特徴は、3つの拳法のエッセンスを凝縮した拳法であるということです。

形意拳(けいいけん)からは、その歩法を
八卦掌(はっけしょう)からは、その身体の運用方法を
武式太極拳(ぶしきたいきょくけん)からは、太極拳としての技を
それそれが融合して一つの太極拳としてまとめられています

普通であれば融合させようとさえ思わない、混ぜ合わせることの出来ない筈の拳法。
名人、孫禄堂はその精華の融合をやってのけたのです。

<<●2.姿勢はやや高く、快活に動く>>

3つの拳法のうち形意拳と八卦掌は、ともに歩法に特徴があります

形意拳では直線的な前後の進退による紙一重の歩法
八卦掌では走圏(そうけん)と呼ばれる円を描き、相手の背後や斜めに入る歩法

こうした歩法を太極拳の中に活かすため、孫式太極拳の姿勢はやや高めの状態で構成されています。

姿勢を高くすることで、足腰への過負荷を減らし、歩法を活かしやすくなります。
さらに八卦掌で用いられる体をクルリと回す転身動作も多いため、姿勢の高さは自然な程度に高い方が良いのです。

この姿勢の高さ、歩法の自由さ、そして転身動作などの運動性。
これらを一連に繋げていくと、他の太極拳には見られない動きの速い、快活(かいかつ)な太極拳となります

<<友人曰く「孫式ってさ…」>>

私の友人に孫式太極拳を好んで取り組む人がいます。
「なんで孫式を選んだかって?
そりゃあ、あれひとつで3つの拳法の精華が身に付くんだよ
余計な回り道しないで済むじゃん」

「それに、一般的に形意拳の歩法、八卦掌の身法っていうけどさ
そんなの関係なく、動いた時に技に繋げやすいんだよね、孫式は

割と武闘派の友人がそんなことを言っていたことから、武術としても本当に優れた太極拳であることがうかがい知れます。

孫式太極拳は武当拳法協会にて教わることが出来ます。
Butoulogo

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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す  岩見より