高感度指先センサーを使って身体感覚を引き上げよう~中年会社員武術家による「擦って触れる」事のススメ

創造と工夫、心に明かりを
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さて、
「手のひら」、特に「指先」というのは非常に鋭敏な神経をもっていて
最新鋭の機械でも検知できない事でも「違和感」として自分に知らせてくれる
「優れものセンサー」を備えています。

これは特別な人だけでなく、普通の人、私のような「才無き一般人」であっても持っていて
度々想像以上の鋭敏さに驚く場面があります。

今回はそんな手のひらを利用して
「身体の感覚を深める」ためにやっていることについて話したいと思います。
身体感覚を深めることは、体の距離感を把握することに繋がるので、
稽古では組手の時に、日常生活では人とすれ違う時や握手をする時など
人との自然な距離感を保つための良い訓練になっています。

触っている間、その感触は脳で認識されている

以前の記事でも少し触れましたが
手のひらをこすり合わせて熱くして、全身を擦っていって目覚めさせるという手順は
早く目を覚ますのに丁度良いため
稽古を始めたり、朝の仕事を始める前に良く行います
(関連記事はこちらです)

手のひらや指先は脳や脊髄から最も遠いところにあるのに
人の体で最も鋭敏な感触をとらえるセンサーを持っていますので
何かに触れている間、その感触は絶えず脳に認識されていきます。

ちなみに今朝の私の場合
「ああ、昨日の飲み会で肉食べ過ぎて肌が油っぽいな、特に顔面が!」
というのが一番初めに思った感想です
擦る部分を腰や足に下げていくにつれて
「やっぱり食べ過ぎたか、腹が重い」とか
「足の筋肉はそれ程固くなっていないので、疲労程度は軽微だな」
などと分かってきます。

このように、ただ「擦って触る」だけでいいのです
触れる回数を増やすほど、肌の調子、筋肉、関節、内臓の硬さと具合が認識されていきます
そして触れるが増えるにつれて「自分の状態を把握する経験値」は上がっていきます。

プラスアルファ、身幅を実感し認識を深める

以前やってみた事として、「腰椎の下から3番目に触ろう」とした場合
自分の体の「その部分」に一度で触れることは、まずできません。
骨格標本で何度も位置を確認しましたが、自分の体のその部分からは微妙にズレるのです

いささか極端な例を挙げていますが、こういった事を「なんとなく」で済ませてしまうと
今後「認識しにくい事を次から次へと、『ま、いいや』で済ませてしまう」のです。
この「ま、いいや」症候群を続けていったら、まず間違いなく良い結果は得られないだろうと判断しました。

そこで私は、擦るという行為に一つ、要素を付け足したのです。
それは「身幅を実感する」です
体を擦って触覚を刺激し、絶えず脳にそれを認識させている状態の時に
「自分の体の各パーツの長さを意識的に実感する」という要素を加えたのです。

触れた感触が繰り返し認識されるタイミングを利用して
自分の体内距離、つまり腕がどこにあるか、どの程度の長さかなどの情報を追加していく事を目指しました。
そして自分の身幅をはじめとした身体感覚に対する認識を深めていったのです。

点から線の感覚へ~相手との距離はどの位?

もし遠くの浜辺にポツンと杭が打たれていたとき、自分と杭の距離は分かりにくいですが
途中に中継地点の杭もあって、その間にロープが張られていれば
その距離感は容易に把握できます。

私の身体感覚も、認識の深みを増すことで
指先という点の認識しかなかったものが、肘という中間地点を経由して、前腕部、上腕部といった線で認識できるようになりました。
他の部分も同様に続ることで、身体感覚は「なんとなく」から脱しようと、今も変わり続けています。

そしてこの距離感の認識は、人にぶつかりそうになった時の回避方向や
人に向かっていく時の距離感やスピードなどに利用できました。

始めのうちは、「なんかえらい遠くの段階で避けられている気がする(日常生活)」とか
「本当にギリギリまで避けないからこちらが心配する(稽古)」などと言われましたが、
それを助言として、さらに改良を加えています。

昔からある言葉で「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という諺があります。
私は己を知る方法の一つを、擦って触れるという方法で手に入れたと、そう思うのです。

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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す  岩見より

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