逐語記録を作って見えてきた自分のセッションのクセとそこからの変化について

内と外の違い
創造と工夫、心に明かりを
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振り返ることは事実を見せてくれるので、弱さを受け入れ改善を促すためのも重要と思っている岩見です、ごきげんよう。

「逐語記録を作ることでカウンセラーとしての力がつく」という話があります。
実際に周りにも「やったほうがいいよ」とは言われましたが、どんな効果があるのかははっきりしませんでした。

今回は自分が感じた逐語記録のメリット、自分への気づきについて書いていきます。

・カウンセリングは説得ではない
・自信のなさは言葉に現れる
・気づきからカウンセリングへの変化

逐語記録を通して無意識にやっていた様々なクセや傾向があぶりだされること、それが最大のメリットでした。
そしてこの気づきが次へのステップにとても有効に働きました。

目次

カウンセリングは説得ではない

互いの境界線をつなぐ
逐語記録を作っていて感じたのは自分がクライアントに「説得」に近いことをやろうとしていたことでした。

「ああ、このクライアントはここに自分を制限している考え(ビリーフ)があるなあ」
と気づいた時、それを説明し、気づかせようとしていました。

”気づいてもらおう
気づいてもらいたい
そうすればもっといい方向になるのに…”

こうした「気づいてもらおう」というわたしの思考がクライアントとの接し方に微妙な距離感を生んでしまっていました。
直接的に言葉にしたわけではありませんが、まわりくどい言い回しを多く使いながら何ともいえない距離感のままセッションを続けている様子が見えたのです。

「セッション後、クライアントが今までよりも良い状態になること」
カウンセリングの目的はこれにつきます。

そのためカウンセラーは具体的なアドバイスを言ったり指針を示すことはしません。
カウンセリングではクライアントの中にある答えを探求していくことになります。

「クライアントがもともと持っている答え」
これを探す同伴者となります。

だからカウンセリングは説得ではないのです。
このことを逐語記録を作りながら改めて感じました。

自信のなさは言葉に現れる

ストーリーがあるということ
セッションが進みクライアントのビリーフがある程度絞られて来たら次の段階に入ります。
その代表的なひとつが「声がけ」と呼ばれる工程です。

しかしここまでの流れでクライアントの中でいくつもの情報が渦巻き、それに自分もあてられてしまっていました。

その結果、自分の感じたことに自信がなくなり、声掛けの対象が弱弱しい感じになってしまいました。

逐語記録を自己添削しながら猛烈なツッコミを入れまくった部分はまさにここでした。
「なぜそうなる?この場合はこっちの方が良かったのに」

声がけだけでなく、時々はさむ質問についても同じように自信のない声が見られました。

気づきからカウンセリングへの変化

恩恵と清涼さ
カウンセリングはクライアントが最良の結果を得るための取り組みです。

説得ではなくてクライアントの中にある答えの探求であり、寄り添っていくことが大事です。

逐語記録を通じてそこに気がついてからはカウンセリングスタイルがガラッと変わりました。

感じたままを素直に受け入れ
相手の反応を敏感にキャッチして
恐れずに踏み込んでいく

幸い、わたしは武術の経験を積んでいたため、こうした鋭敏で反応的なやり取りは慣れています。
改善した後のやり方は自分でもよく馴染みました。

クライアントにとってたった一度きりのセッションを大切に取り組むため、大きな気づきを得て変わることができました。

まとめ

普通のカウンセリングのセッションの後も自分で振り返りを行っていますが、逐語記録による振り返りはそれとは全く違う部分が見えました。

ここでは書ききれない多くのクセや傾向、気づきもありました。

そうした一つ一つを拾いあげながら今後の成長に繋げていきます。

そして

今後、逐語記録を作ろうとする人にわたしも言うことになるのだと思います。

「逐語記録?ああ、やったほうがいいね。効果はどんなのだって?そうだね、やってみればわかるよ。それがすごい力になるから」

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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す  Junoiwami(岩見)より
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