攻防一体の領域を作れ!~中年会社員武術家がおくるメジャーを使った楽々間合い構築法
創造と工夫、心に明かりを
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さて、
稽古で組手をするときに、自分の間合いが曖昧なため
相手に届かない場合があります。
このような状況が続いたので
はて、「自分の間合い」って具体的にどのくらいだろうと思い、メジャーで測定してみました。
この取り組みは、その後に続く稽古のアプローチにも役立ったので
お話ししたいと思います
目次
用意するものと測定場所
メジャーを一つ用意する。
ホームセンターで買ったものがあったのでそれを利用しました。
測定場所は肩口から拳まで
メジャーを肩口に当ててブランと下げます。
そのまま拳まで真っ直ぐに引いていって薬指の根元で止めます。
64.5㎝
これが私の肩口から拳の距離です。
ちなみに指先まで伸ばした場合は71㎝でした。
ここで
「私が体を真正面にした場合の拳の最大到達距離は64.5㎝である」
という事が分かりました…意外と短いです。
数値を見ると安心する
私は腕の長さを測ったことで、その短さを感じるとともに安心しました。
これはボンヤリとした不安が、
数値という明確な基準を得たことによる安心感だと思います。
不安が明確さを帯びたなら、それを解決したくなります。
「さて、この短さをどう補ってやろうか?」
と考えながら次のステップです。
次の稽古へ活かす~数値と感覚の刷り込み
まずは64.5㎝を脳と体に刷り込みました。
人から書類を受け取るときやドアを開けるときなど
あまり斜めにならない体制での距離感は必ず64.5㎝以内になることが分かっています。
これらの時の人の顔の大きさ、体の見え方、障害物からの圧迫感などを覚えておきます。
こうすることで
数値基準と感覚(視覚や距離感など)の摺合せを行いました。
次、または同時進行で間合いを伸ばす事を試みます。
体を斜めにすれば、首から肩口までの距離が加わりますし、
腰のまわし方、足のダッシュ、膝の抜き、重心移動
これらによっても間合いが変わってきます。
それぞれの働きで、どの程度64.5㎝が変わるのかを把握していきます。
なかなかに面白い取り組みでした。
間合いが把握できることで楽になる事
この取り組みにより、随分楽に
「自分の攻撃可能距離を維持したまま避ける」事が出来るようになりました。
目指せ、「常に紙一重で避ける」事の出来る領域へ、です。
ミートポイント(もっとも強打を打ち込める距離)の把握も
以前より楽にできるようになりました。
メリットは大きいです
相手との距離感については、組手だけでなく、日常のコミュニケーションでも発揮されるので
会社生活でも地味に活用出来たりもします。
このように、メジャーひとつで腕の長さという基準を出すだけでも
自分の間合い、というボンヤリとした問題の解決にアプローチすることが出来ました。
メジャーを利用するに至った理由は
「あ、友人の結婚式に来ていく服がない」という社会人としてどうかという状況で
服をオーダーしに行った際、袖の長さを測ってもらった時に思いついたという、
全く武術とは関係のないいきさつからです。
しかし、意外と利用できることは世の中に多くあるようです。
これからもあまり肩ひじ張らず、いろいろ利用できればと思います。
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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す 岩見より