中年会社員武術家の呼吸法失敗談~試行錯誤とまともな呼吸法への道
創造と工夫、心に明かりを
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さて、
一見、単純に取り組めそうな呼吸法。やれば何の問題もなさそうな呼吸法。誰でもやれそうな呼吸法。確かにそうではあるのですが、中年会社員武術家JunoIwamiはそんな呼吸法でも失敗をしています。
今回は、そんな「単純なはずの呼吸法での失敗」についてお話しします。
●1.数息観でのイラつき
●2.腹を膨らませ過ぎての腰痛
失敗で諦めず、そこから始まる試行錯誤の末に「今の自分」がいるのです。
目次
<<●1.数息観でのイラつき>>
数息観は呼吸の数を1から10までカウントしていくという取り組みです
単純な取り組みですが、集中できますし、脱線した時のリカバリーもできます。
しかし私はあまりにマニュアル人間過ぎたのです。
「数を数え忘れたら、いちから『数え直さなければいけない』」と妙に強迫観念じみたやり方になってしまいました。
取り組み当初は1分と経たずに数え忘れていたため、10カウント全てが数え終わりません。
「四(よっつ)」または「五(いつつ)」から、上に行けないのです。
何度数えても出来ないため。イライラが募ります。
呼吸と共に心を落ち着かせるはずが、余計に苛立ち、こめかみや顔面の筋肉が強張って行くのが自分でもわかりました。
この状況を何とかしようと、本を読み、相談し、また工夫する事を繰り返しました。
それなりの時間と、いくつもの方法が試され、最終的に「数え直せば『いいんじゃない?』」程度の緩いルールに落ち着くことで解決しました。
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それ以降、数え忘れも怖くなくなりました。良くも悪くも「まあ、いいや」と考えることが出来るようになったのです。
この程々加減を身につけたおかげで、落ち着いて呼吸法に取り組むことが可能となりました。
<<●2.腹を膨らませ過ぎての腰痛>>
腹式呼吸では呼吸を行う時に腹部を膨らませたりへこませたりします。
呼吸法と言えば必ず出てくるのがこの「腹式」というくらい重要なやり方です。
しかし私は極端に走り過ぎたのです。
取り組み当初は腹部の膨らませ方、へこませ方の加減が分からず、「常にフルパワー」でやっていました。
慣れない事をフルパワーでやればどうなるかというのはいい加減分かっていても良さそうなのですが、そこは私です。自分の限界を知るため自身を実験体として取り組みます。
その結果、腹部の過剰な動きにつられて骨盤(主に腰椎)に無理が掛り、腰痛の原因となってしまいました。
基本的に立ったまま、または座ったままという一定姿勢のまま腹式呼吸をしているのです。力の逃げ場はなく、一番近くにある腰に影響が出るのは仕方がないでしょう。
この件を教訓にして「腹部を大きく動かしながら、腰への負荷が少ない範囲」という、腹式呼吸における希望と加減を知ることが出来ました。
正しい姿勢と正しい加減。まだまだ直す部分はありますが、それでも十分な進歩でした。
<<失敗を糧にして進む>>
教室で先生に聞いたり、先輩方に聞いたりすることで、正しいやり方をさっさと身につける方法は正しいと言えます。
しかし、今回の私のように一度失敗をして、それにさらに工夫をして得た体験というのは早々には忘れず、必ず身に残ります。
その失敗と解決の繰り返された末にあるのが、今の自分です。
成功も失敗も、その歩んだ先にある自分が、また努力を重ねる。
そう考えると失敗という事実は、悪いものでも怖いものでもないと思えます。
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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す 岩見より