パラグライダーの空中散歩で世界が広がるのを感じた〜2021年10月スカイ朝霧

2021年10月、パラグライダーで人生初の空中散歩をしてきました。

場所は静岡県富士宮市にあるスカイ朝霧
安心して飛びたいのでインストラクターが一緒に飛んでくれるタンデムコースを選びました。

パラグライダーはスカイスポーツのひとつです。

布と紐で作られたアナログ極まりない機構を頼りに身一つで空に舞う

全身に受ける風圧
耳にうるさい風
傾き回る視覚

山や木々を眼下に見下ろし
重力はあるのに地面がない不安定さを楽しむ

その感覚と感動は上手く表現できません

地上で生きるだけではわからなかった空の魅力
「ちょっと空飛んできました」では説明つかない未体験領域に心が震える

また、わたしの世界が広がりました。

もしも空に憧れがあるのなら
日々の閉塞感から解き放たれたいと思うなら
こうした空を歩いてみるのも良いかもしれません。

目次

静岡県へ空の旅に向かう

SUPに誘ってくれた友人から「パラグライダーやりたいから付き合って」との連絡が来たので乗ることにしました。

東京から新幹線で静岡方面に出発です。

静岡県新富士駅に到着
駅を出ると目の前に富士山

相変わらず大きい。
東京から見るものとはスケールが違う。

友人と合流し車で現地に向かいます。

スカイ朝霧に到着

本日の空の旅はここで行います。
初のパラグライダー。
予備知識なしで来たのでドキドキです。

早めに到着したので途中のコンビニで買った軽食で腹ごなし。
食べ過ぎると空の上で放出する可能性もあるので少なめが良いでしょう。

とにかく「走れ」と説明される

時間になったので施設に入ります。

室内に展示されている数々の写真とパラグライダーで使われる器具(イス?)

この小型ゴンドラみたいなものに乗って飛ぶようです。

受付けをすませ、誓約書を書き、説明を聞きます。

今回申し込んだのは「タンデムコース」
インストラクターさんの前に私が座り、二人一組になって飛ぶコースです。

これならパラグライダーの操作はインストラクターさんにお願いして空の旅を満喫できます。
料金は平日1万円、土日は1.2万円。
受付の時に支払いました。

ビデオ視聴や口頭説明を受けて概要を把握します。

「離陸の時はとにかく走ってください」と何度も言われました。

5回くらい言われたかな。

タンデムでもソロでも飛ぶ時は下り坂を崖に向かって走ることになります。

その時に怖がって足が止まってしまうと飛ぶことは出来ません。

止まるだけなら良いのですが、前に転んで顔面スライディングすることもあるようです。

実際、ビデオ映像では転倒の様子も出ており、かなり痛々しかったです。

勢いのまま崖下に落ちたら目も当てられないでしょう。

そのように何度も「走り切ること、空に浮いてもまだ足を動かし続けてください」と念入りに説明を受けました。

車で離着陸場所に移動

着地場所に移動

手続きが終わったらすぐに飛ぶ、というわけではなく場所移動になります。

まずは自分が乗ってきた車でパラグライダーの着陸場に行きます。
そこからスカイ朝霧の専用車に乗って離陸場へ。

離陸場でパラグライダーを装備してスタートとという流れです。

まず事務所での説明後、パラグライダーの着陸場所まで移動します。
ここに車を置くことでパラグライダー終了後にすぐに帰路につくことができます。

事務所から車で5分程度なのですが、曲がり角が分かりにくくて通り過ぎそうになりました。

道も狭くてすれ違うのも大変。
マナーの悪い対向車が怒鳴ってくるシーンもありなかなかにスリリングです。
(平常心、こんな小さなことで怒ってはいけない。なにせこれから大空に羽ばたくのですから)

パラグライダー着陸場所に到着。

空を見上げると多くの人が飛んでいます。

10人(10機?)くらい飛んでるかな。
優雅に、気持ちよさそうに空を旋回する姿は実に心地良さそうでした。

まあ、優雅というのはあくまで地上から見た話であって
空の上ではそんなことはなかったと後々知ることになるのですけどね

富士山を見ながら飛び、芝生の上に着地する。

優雅な姿をこれから自分が体験するかと思うと楽しみです。

離陸場は高鳴る気持ちと緊張感

今度は離陸場へ移動です
スカイ朝霧の車に乗り込みさらに300メートルほど登ります。

一般客としては私たち二人の他にもカップル一組がいました。
他はスクール生と呼ばれる人たち。

車内ではあらためて貴重品である車のキーの保管説明やGoProなどカメラ撮影での落下対策など、気になることを説明してくれました。

離陸場に到着。
車から降りて装備を着け説明を受けます。

空を見るととても気持ちよさそうに飛んでいる人たちの姿がありました。

地上で見た時よりずっと近くで飛んでいる人たちの姿。
事務所で見た椅子のようなものに座ってる姿がはっきり見える。

下り坂の傾斜から富士山に向かって駆け下りて風を受けて飛び立っていくスクール生の人たちの姿。

楽しみで胸が高鳴ります。

待ち時間の間は他のインストラクターさんと話したり、友人と話したりとで時間が過ぎていきます。

緊張感を紛らわそうと崖下を覗き見て、その高さにさらに緊張が高まる。

「とにかく走れ」と言われた風景
なるほど、ビビって足がすくむ人の気持ちも分かります。

駆けて、飛んで、感動する〜パラグライダー

さあ、いよいよ飛びます。

タンデムコースなので後ろにインストラクターがついてくれています。

もうひとり、助走補助の人がわたしの前に立ち、引っ張ることで勢いを付けてくれます。

ゴーサインは助走補助の人とインストラクターさんが出してくれます。

「Go!」の合図と共に補助の人が私を前面に向かって引く
私はただ前方の崖に向かって足を動かし、インストラクターさんと一緒に走り出す

「おお、下り坂で勢いが半端無いって、おお!?」
いきなり助走にブレーキがかかります。

この時、わたしの後方では地面に広げてあるパラグライダーの帆が浮き始め、風を受け止めていました。

風を受けて広がるパラグライダーがブレーキとなって走るスピードをガクン!と落とすのです。

「止まらないで、前に走る!」
インストラクターさんの言葉に従い一度落ちたスピードを再び上げて富士山に向けて駆ける!

するとこう、フワッと
数歩もいかないうちに体が浮き上がります。

足が地面を離れてからは一気に上昇。

空を切る足
視界は地面から青空へと転換する

おお、おおおおーー

飛んでます
本当に飛んでいます。

凄いとしか言いようのない感覚。

尻の下はイスに座ってる感覚はあるのに、足の下は何もない。
プランプランと足を振ると、山に映る影も足を振る。
不安定と安定の両方ある居心地。

耳は轟々と風を切る音が響く。
これ結構スピードが出てる。

地上から見た時は「優雅だ」とか思ってたけど、体感としては自動車と遜色ない速度で飛んでる。

周りを見ると近くの山々にポツポツと紅葉が見え始めている。

緑の山にアクセントのようなオレンジが入る。

目の前には富士山があり、遠くの駿河湾かな?もある。

山にはモミ、スギの樹々が並ぶ。
下を見れば田畑や町が見える。

ああ、実に心地よい。

しばらく後、離陸した友人と空中で挨拶

「サイコーだね!」
「病みつきになるわ。」
笑いながら声を掛け合う。

飛びながらインストラクターさんと話をする。
パラグライダーは35年前からあるらしい。
30年のベテラン。黎明期からの人と言える。

聞くのも無粋かもしれないのですが、魅力なんですかね?こう、我ながら言葉にならないわけじゃないですか。
「電気を使わなくて、風のエネルギーで上昇したり操ることなのかなって。」
なるほどー。

「エンジンがないから振動も騒音もない。とても原始的なもの、布と紐しかないわけですし」
あー、もうアナログの極地ですよね。
この、風の力で持ち上がるフワッとした感触は気持ちいいですよね。

それぞれ飛んでいる人たちは、目的とかあるんですか?
「ありますよ。三つ先の尾根まで行こうとか、2時間飛ぼうとか。風と高さが必要ですけどね」
楽しそうだな。

空の旅は遮るものさえなく、会話も弾みます。

離陸して10分ほど、初の空中散歩もそろそも終わり。
スピンしながら高度を落とし、風をうけて制動。

こうしてあらためて自分が木よりも高い位置を飛んでいたのだとわかる。
迫る地表を前にそこそこのスピードが出ているのを感じる。

中央のサークルに着地完了!
「(サークル中央に)入れた!入れたー!」
思わず笑ってしまった。

10分間の濃密な空の旅はこうして無事に終わりました。
素晴らしい体験にすっかり興奮気味です。

すぐに友人も着陸。
興奮する私たちの側で手早くパラグライダーを片付けていくインストラクターさんたち。
無駄のない動きに熟練さとプロ意識を感じます。

「ふう」と少し休憩。
実は降下するときの左旋回で少し酔った。

友人は私よりハードに回ったので余計きてるらしい。

友人が回復するまでの時間、インストラクターさんたちと雑談する。
スクールいいな、入ろうかな。

やがて友人も復活し、互いの空の旅をシェアしながら帰路につきました。

空の旅、パラグライダー

パラグライダーによる未体験領域への突入。
そこにある感動は上手く言葉にできません。

ただ心が震えるとしか言えません。

空の魅力。
そんなものあるのかと思っていましたが、それは確かに感じました。

地上で味わうキャンプとも違う
海や湖で感じるものとも違う

世界がまた広がるのを感じました。
また飛びたいな。

季節が変われば見える景色も違うだろう。

風、音、浮遊感

重力という閉塞感を全身で否定するかのような空の旅は胸にしっかりと刻みつけられました。

関連リンク

外部リンク

スカイ朝霧 パラグライダースクール

初心者でも安全のタンデムコース~スカイ朝霧

内部リンク

友人と行ったSUPも実に楽しい体験でした。