ついに登場!形意拳の基本にして核心部~五行拳の概要を紹介しよう

創造と工夫、心に明かりを
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さて、
中年会社員武術家JunoIwamiが主に練習している形意拳(けいいけん)は三体式という立ち方から、五行拳(ごぎょうけん)という5種類の突きを行うことを基本練習としていますが…
なんで五行拳という名前なの?拳法とどういう関係なの?」という非常に素朴な疑問にブチ当たるわけです。

そこで今回は、形意拳の一番の基本動作である「五行拳」について、基本的な考え方について説明していきます。

●1. 五つの元素にあてはめる
●2. 組み合わせ~相生と相剋

「ああ、よく考えられているなあ」といつも驚くばかりです。

<<(陰陽)五行説が基本となっています>>

東洋思想の一つに五行説(いんようごぎょうせつ)と呼ばれているものがあります。
「万物は木、火、土、金、水の5つの元素で成り立っている」という考え方です。
一般的には陰陽五行説という言葉の方が有名です。

五行拳とはその名の通り、この五行説が考え方の基本となっています

●1. 五つの元素にあてはめる

五行説の正否や小難しい話は置いておきまして、形意拳の基本練習である五行拳の話に移ります。

形意拳の五行拳とは、5つの突き方(打ち方)をそれぞれ先ほどの「木、火、土、金、水」に当てはめています。

元素名と対応する突き方の名前は下のようになっています。

木~崩(ポン)拳、火~炮(パオ)拳、土~横(オウ)拳、
金~劈(ヘキ)拳、水~鑚(サン)拳

それぞれの打ち方は形が決まっていて、またそれぞれの特徴があります。
この5つの打ち方を個別に練習することで、異なる特徴を持った打ち方を身につけていく、というのが主な練習体制です。

で、問題はここからなのですが、打ち方を元素に当てはめてそれぞれを練習するだけでなく
ここに「相生」「相剋」という互いの関係性が出てくるのです

●2. 組み合わせ~相生と相剋

五行拳が五行である理由はここにあります。
一つの元素からもう一つを生み出す「相生」(そうしょう)または(そうせい)
一つの元素を弱らせて打ち消す「相剋」(そうこく)
この関係性がそれぞれの打ち方に対応しています。

例えば、木→火は「相生」関係にあります。打ち方に直しますと崩拳(木)→炮拳(火)です。
これは連続技として繋がりが良く、素早く力強く打ち出せます。
そのため形意拳の型の出だしとして用いられることもあります。

逆に、金→木は「相剋」の関係です。劈拳(金)が崩拳(木)を弱らせます。
崩拳で打ちかかってくる相手を劈拳で迎撃すると実にアッサリと無効化できます

<<5個の突き方が広い応用範囲を示す>>

たった5個の打ち方でも練習を重ねることで、威力が増し、動きは洗練されてきます。

そこに加えて「相生」「相剋」関係が絡んできますと応用範囲はぐっと広がります。
体が大きく、力の強い人に突かれても、相剋関係で弱らせて、相生で反撃していくという流れは、とても合理的に使えます

力が人より劣っていても、動きが鈍くても、こうした「技」で力に対応できるという事は武術として、護身としてとても重要だと思います。
先人の知恵、本当によく考えられたものだといつも感心しています。

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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す  岩見より