示範~スタンダードを示す

創造と工夫、心に明かりを
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さて、「示範」という言葉あるそうです
「模範を示す」という文字どおりの意味です。

武術においては、どんなに理論が優れていようと、口頭の説明だけでは伝わりません。
だから指導者、指導員はそれがどのようなモノであるかを
示して見せる必要があります。

そして、教わる方はそれを見て、自分と照らし合わせて稽古を続けます。
この時忘れないようにしているのが「ただ示せばよいのか?」という視点です

教わる方が見ているという現実がある以上
その示範は、教わる人たちの基準点(スタンダード)になるわけです
なるべく中庸な、極端にならないように気を付けないとなりません。

高いパフォーマンスを示すのは当然としても
どうしても、自分の得意な方に行ってしまいそうになるのを制御していくことで
見ている人たちが、自分自身で取り組めるよう「隙」を作ります

こうすることで、ただ漠然と受け入れてもらうのではなく
工夫の余地が、自分たちが自力で辿っていける道があるのだと
心に落とし込んで
もらいたいのです

どんなに理論を駆使しても、示して見せたその一動作が全てを物語っています
「範を示す」文字も内容も特別なことはありません
だからこそ、見ている人のスタンダードとなりえるように
示した模範が、教わる人たちの上達の一助になるように
丁寧にやっていければと思いながら、一撃一撃を示すのです。

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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す  岩見より

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