体重が重くても中国拳法の構えをとるために~「守るべき事」をどう選ぶかの基準

創造と工夫、心に明かりを
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日常と仕事に中国拳法という彩(いろどり)を加えて毎日を面白可笑しく過ごすことを目指す、中年会社員武術家ブロガーJunoIwamiです。
どんどんキャッチコピーが長くなっていく…

さて、そんな私が主に練習している中国拳法の一つ、形意拳(けいいけん)ですが、基本の構えとして「三体式(さんたいしき)」があります。
(三体式の外観などについては前回の記事を参照してください)

今回は、この三体式を行う際に、私が重要視している事について紹介します
一般には「守るべき事」または「要訣」として伝えられている事です。

◆1.体を真っ直ぐにする~立身中正
◆2.つま先と膝の向きを合わせる

たくさんある「守るべき事」のうち、なぜこの二つを重要視するか、それは武術としての意味と、個人的な事情(体重が重い)によるものです。

目次

<<◆1.体を真っ直ぐにする~立身中正>>

猫背になっていたり、上半身が反り返ってしまうと、動きが極端に鈍くなったり、腰を痛めたりしてしまいます。

こうした状態にならないように真っ直ぐに立つのですが基本です。
立身中正」という言葉を使って表しています。

とはいえ、おもちゃの兵隊のように固く真っ直ぐになるのではありません。
柔軟に、しなやかに立ちます。
そして何より、体の中を上から下までつなぐ中心線を意識することが重要です

私はこの立身中正を重要視します。
それは立身中正を意識しての三体式は、体の中の「基準」を明確にしてくれるからです。

立身中正で重要なのは、体の上下を貫く中心線です。
そこを基準とすれば、手の形や足の動きを修正した時、その他の部分が連動して影響を受け、それを敏感に感じ取ることが出来ます

「体で覚える」とか「体を練る」という場合、こうした基準を作り上げた方が、細々とした修正を一からやるよりずっと根っこの部分を鍛える事に繋がります

逆に基準を体の中心線におかず、「手だけ」、「足だけ」を修正すると、その部分だけの話になってしまい、次の日にはすっかり忘れてしまいます。私は記憶力がないため、記録習慣がない頃は本当にひどい忘れようでした。

<<◆2.つま先と膝の向きを合わせる>>

このつま先と膝の向きについては、私にとっては個人的に重要な要素です。
理由は二つあります。

●1.力の方向がそろっているので動きやすい

一つ目はまず武術的な話として、動きやすい事があります
つま先と膝の向きがあっている事で、前へ進もうとする力がそろっている状態になります。

動こうと思った時に力の行き先を揃えておけば、スルッと動きだすのも難しい事ではなく、特に対人練習の時に実感します

聞いてしまえばとても単純な話ですが、生活の中で普通に歩いている時には気付きにくいため、この要素についてはスルーしてしまう可能性が高いのが難点です。

三体式の様に動かない状態で無理やり(といういい方は変ですが)こうした姿勢を取り続ける事で、体に覚え込ませていきます

●2.後ろ足で体を支える要になる

二つ目の理由としてですが、体重を支えるのに丁度良いという事です。
私の様に体重の重い人間が三体式を行うと、後ろ足への負荷は本当にシャレになりません。

これを筋力だけで支えようとすると、十中八九膝を痛めます。いや痛めました(過去系)

痛めた時の状況を振り返ると、つま先に比べて膝が内側に入り込んでいました。
そのせいで膝の内側の筋に過剰な負荷がかかっていたのです。

痛みが引いてきた頃に、つま先と膝を合わせて立つようにしたところ、痛みが再発することもなく、立っていられる時間も伸びるようになりました。
この怪我を切っ掛けにして、つま先と膝の角度にはとても注意しています。

<<いくつもある「守るべき事」>>

三体式という構え一つでも、多くの「守るべき事」があります。
それらは「要訣」とか「要項」、或いは「秘伝」として伝えられます。

私は自分の考え方や体質、または個人的にとてもこだわりのある「歩法」に関連が深いという理由により、上の二つを重要視しています。

そしてそれだけでなく、他の「守るべき事」についてもそれぞれについて深く理解し、今後も練習を続けることで、自分の成長を促していきます。

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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す  岩見より