黙って立てばグンッと伸びる~形意拳の基本の立ち方「三体式」を紹介します

創造と工夫、心に明かりを
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はい!日常と仕事を中国拳法で彩る中年会社員武術家ブロガーJunoIwamiです
…やはりもう少し短い方が良い気がしますね、このキャッチコピー。

さて、私はつくづく説明が下手なようで、我が愛する形意拳(けいいけん)の基本たる五行拳(ごぎょうけん)の説明をしておいて、そのもっと前にある大切な存在を紹介するのを忘れていました。

大丈夫です、誰にでも失敗はあるのです。
そこで今回は、五行拳よりさらに前にある「基本の構え、三体式(さんたいしき)」について説明します。

●1.「三体」って何?
●2.どんな姿勢なの?
●3.見た目よりきつく、見た目より効果あり

まずは紹介と、個人的な感想などを、主に身体面から説明します。

<<最初に習い最後まで残る練習の要>>

三体式は基本の構えではありますが、最後まで残る練習の要(かなめ)でもあります
その人の三体式を見れば、程度が分かる」とも言われることから、形意拳の基準であり、根幹と言えます。

●1.「三体」って何?

そもそも三体式の「三体」って何さという疑問はもっともです。私もそうでした。

ここでいう「三体」とはそれぞれ「天」と「地」と「人」を指します
東洋思想の一つである荀子の「三才思想」に由来する考え方です。
そのため流派によっては三才式とも呼ばれています。

(ふ~む、どうもこうした東洋思想が前面に出てくると、いきなり雲をつかむような話になります。)

いずれにしても、体を3つに区切り、バランスよく同時に鍛える
または空と地面をつなぐために自分の体を調整するという意味合いもあります。

私はシンプルに「上、中、下」と考えます
ロマンも何もあった物ではありませんが良いのです。
分かりやすさ優先にすることで見えてくるものもあるのです。

●2.どんな姿勢なの?

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先日の大会での三体式の写真です。バリバリに緊張しているのですが、JunoIwamiの「素」っぽさが出ていたので掲載します。

写真のように、足を前後に開き、前足と同じ方の腕を前方に上げます
重心はほぼ真ん中のやや後ろ側に置きます。
流派によっては重心は後ろ足7、前足3になります。

目は前方を広く見定め、腰は緩く下へ沈み、上半身は天から吊り下げられるようにします。

これが上手くはまりますと、まさに天、地、人(または上、中、下)が一本の線となり、つながってくれます。

この「はまった時」のポテンシャルは相当なものです。
打てば全身の力が拳の一点に集中し、動けばパッと相手に飛び込めます

なかなか出来る事ではないのですが、こうした状態を可能とするためには、意外にも動く練習ではなく、こうして黙って立ち続ける練習の方が効果的だったりします
人間って不思議です。

●3.見た目よりきつく、見た目より効果あり

「よし、黙って立ってればどうにかできるのだな、楽じゃん」と思ったあなた。我が同志よ。

しかし残酷な現実は楽をさせてくれません。
三体式は見た目以上にきついです。
特に後ろ足のももへの負担が半端ではありません。
始めの頃は、30秒と経たずにプルプルしてきます。

更にそこに先生から「守らなければいけない事」の指示が入ります。
もう、きついやら大変やらで泣けてきます。

しかし天は我を見捨てません!!
その「守らなければいけない事」をやればやるほど、このきついだけの三体式は進歩への階段となってくれます

足の負担はただの苦痛から強靭な足腰への鍛練となり、全身のバランスを整えます。
前方にかざした腕は相手に向かう照準器となり絶えず相手を追尾し、吊り下げられた上半身は広い視野と全身の強調を生んでくれます。

見た目以上にきつく、見た目以上の効果がある、そんな立ち方なのです。

<<黙って立つだけでも変わる自分がいる>>

三体式は決められた立ち方で黙って立つ、ただそれだけの話です。
しかしその中には様々な意味が内包されています。

私もこの立ち方は苦手でしたが、だんだんと慣れてきます。
そして一日に数分間立つだけでも、その効果は身体的に作用してきます。
呼吸が楽になりますし、全身の協調性が上がるので動きが軽くなります。

ああ、こうして書いていると、だんだん自分の中の三体式ゲージが溜まってきました。
今日はここまでにしてパソコンを閉じ、今から三体式で立ってきます。

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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す  岩見より