疲れずに歩こう、それが人混みでも!~「視界、重心、軸」の歩き方3要素を中年会社員武術家が説明します

創造と工夫、心に明かりを
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さて、
朝の通勤時間、休日の繁華街、人気のイベント会場…こうした人と人とがひしめき合う条件でも、スルスル~っと歩いていけると疲れませんしストレスも軽くて済みます

中年会社員武術家JunoIwamiはこうした人ばかりの状況も、武術で培った歩法(歩き方)を頼りに歩いていきます。
今回は「目的地に向かうだけでも疲れてしまう」を防ぐため、疲れずに、人に揉まれることなく歩く方法について紹介します。

●1. 視野を広くする方法
●2. 重心と軸の行先に足を置く

こうした日常の「もうちょっと便利にしたい」を体を使って体現するのはとてもとても楽しいです。

目次

<<中国でのイベントはパワフルだった>>

始めに「人混みをスムーズに歩きたい」という欲求が起きたのは、随分昔です。

「少林寺建立1500周年記念式典」というイベントに行くため中国に向かったのですが
まあ、この国の人達のパワフルなことパワフルなこと!!

私の図体がもみくちゃです。「ああっ、チョットって、おおぁ!」となんかよく分からない声を上げながら右へ左へ押し流され、そして後ろに押し戻されます

そんな中、涼しい顔をして普通に歩く諸先輩方を見て
「ああ、もう少しましな歩き方を勉強しよう
そう思ったのです。

●1. 視野を広くする方法

人混みにいると気づきにくいのですが、実は人と人の隙間は結構あります
ただ、あまりに人が多すぎて「目の前しか見えない」ため「他も全て人ばかり」と思い込んでしまいます

この思い込みを解除するために、私は一度、視線を45~60°位上方に上げ、なるべく視野を左右に広げます。
この時の視界の広さを覚えておき、そのまま視界の広さを変えずに視線を元の水平付近に戻します

「視界の広さを維持する」事に意識を割いているため、「目の前の人の壁」への焦点がぼやけます。そのため視野が全体的に行き届き「実は結構ある人の隙間」が見つけやすくなります

●2. 重心と軸の行先に足を置く

空いている隙間を見つけても、そこに足を運ぶ前に横入りされたり、思わぬ方向から押されてバランスを崩してしまいます。
大したことではないのですが、地味にストレスです。

そのため私が歩き始めで気を付けていることは、自分の歩く方向に向かって、重心と軸を向けて、その重心が移動した先に足を置く、という事です。

「重心」とは主に腹部周りを意識するとイメージしやすいです。
より明確にしたい場合は丹田を意識します。
文字通り自分の体重の中心なのですが、難しく考えずにいきます。

「軸」は体内を上下に伸びる線を意識します。
線は背骨に沿わせて、上は頭の遥か上から吊り下げられているように、下は股下から大地に落ちるように、長~く上下に意識します。

重心と軸は体内で交わり、どちらかが動けばもう片方も動くことになります。

この重心と軸を動き始めの起点としますと、「膝の抜き」という行為により歩き始めが「落ちるように」スムーズに行えますし、方向転換も「開く」という形で行うため、瞬時に楽に出来ます

重心と軸を利用する結果「隙間(歩くルート)発見」→「歩く」→「方向転換」→「目的地へ」という流れをスムーズに行うことが出来るのです。

仮に人に横から押されても、そのまま瞬間的に押された方向に重心を向かわせれば力が逃げてくれるので、再び方向転換して元のルート或いは別のルートに歩き出すことが出来ます。

また瞬時に方向転換が切り替えられるという事は、動き出すその瞬間まで「視野の広さ」を維持できるという利点もあります。

普通に足で歩こうとしますと、どうしても「ダッシュのための溜め」を必要とし、その間に横から入られたり押されたりします。方向転換も足の筋肉でねじり曲げる必要性があります。

<<日常にも活かせる内容を根付かせる>>

このようにスルスルーっと疲れずに歩いていくために、スピードや歩きやすさの確保と共に、人とぶつかっても直ぐにリカバリーできるという歩き方に気を付けています。

中国拳法の練習中にはあまり気付かなくても、こうして日常の中で利用できるシーンが多くあることに気づきます。

武術とか格闘技はある意味閉鎖的な空間に思えるかもしれませんが、実は生活に密着した、地に足の着いた価値を持つ、魅力的な取り組みでもあるのです。

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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す  岩見より