中年会社員武術家が割と痛い思いをしながら実感した、雪の中を自転車で走るなら「出来るだけ力は抜こう」というはなし
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創造と工夫、心に明かりを
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前回の記事で、中年会社員武術家JunoIwamiは雪の中をわざわざテンション高く自転車を乗り回すエキサイティングな状況が好きな人物であることを紹介しました。
そして雪の中を自転車で走り回る理由として「平地では出来ないくらいのバランス感覚を養う事が出来る」というメリットを挙げました。
今回は、そんな雪中自転車走行の最大の懸念点である「滑り」への対策として外せない事についてお話しします。
● 強張る体を脱力せよ
まずは脱力、「適当に力を抜く」こと。これが大事です。
私も走り始めはガチガチでしたが、何度か転んだり痛い思いを繰り返すうちに、ようやく体の働きを感じる事が出来るようになりました。
この感覚は武術の稽古にも役に立ってくれています。
目次
<<強張る体を脱力せよ>>
雪の日に走っている人は私だけでなく、様々な人達がいるのですが、総じてガチガチに腕を固めてハンドルを握っています。
確かに心境は分かるのですが、この状態は二つの意味で危険です。
一つ目は転びやすい体勢である事、二つ目は滑った時のリカバリーがやりにくい事の二つです。
だから力を抜く。必要な部分以外はふんわりとしていれば、結構走れます。
それでは、適当に力を抜いた状態で走るととどういった状況になるかを説明します。
◆クッションを効かせて衝撃を逃がそう
適当に力を抜くことにより、滑った時の力の逃げ場が出来ます。言ってみればクッションの役割です。そのため、滑ったとしても力が分散されて、転ぶに至らない程度にまで勢いがなくなったり、また転ぶまでに時間に猶予が出来るので、踏ん張るまでの時間を稼ぐことが出来ます。
これは、たくさん関節のある物であれば、どこか一カ所に力がかかっても他の部分で衝撃が吸収され、転倒に至らない、または転倒するにしても思った以上に時間がかかる事と同じことです。
逆にガチガチに固めた体では、いざスリップした時にクッションとなるものがありません。
そのため、「滑る=転ぶ」という現象がほぼ時間の猶予なしで起こります。
これは、真っ直ぐな棒は端を押すとすぐに倒れてしまうのと同じ状況と言えます。
◆滑った時にいち早く体勢を立て直そう
自転車に乗っている時に、不要な部分の力を抜いておけば、いざ滑った時にフッと足が出たり、他の部分に力を逃すなどの対応が出来ます。危機に陥った時、自分で能動的に対処できるのです。この状態は本当に滑ってしまった時に、正しい体勢、安全な状態にいち早く対応するためにも必要です。
例えば、両ひじや肩、腰周りなどは、怖さや緊張そして体重が乗りやすい場所のため強張りやすいといえます。そのため少しだけ立ち止まって、腰をさすってみたり、手足をブラブラさせて力を抜いてみると、先ほどまでの走り方とは全然違ってきます。
これが逆に、体がガチガチに固まってしまっている状態は、関節がロックしているという事になります。
強張っている関節や筋肉を一度動かせるようにするためには、一度緩めてから動かす必要があります。そのためもし滑った時に体勢を立て直そうとしても、瞬間的な対応は難しいと言えます。
滑りやすい環境で力を抜くことはちょっと怖いのですが、やってみると心に余裕が出来るので、ガチガチ状態で走っている時に比べてとても楽に走れます。
さて、今回はたまたま雪の中という非日常的な環境でしたが、一度こうして自転車に乗っている時のバランス感覚を意識しておくと、普通の走行中でも違いが出てきます。
今朝も、雪の中を走った感覚を思い出しながら自転車で走っていましたが、、座り方や関節がいつもと違い、深くゆるんだ感覚が維持できるようになりました。おかげでより自由度を増した軽やかな走りを満喫できました。
今後も「楽に、そしてしなやかに活動していく事」を目的に、日常の動作や武術の稽古にもバランス感覚を敏感に取り入れていく予定です。
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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す 岩見より
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