困った疑問の落ち着き先~中国拳法の疑問は解決すると基本に戻ってくる
創造と工夫、心に明かりを
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さて、
中国拳法の練習をしていると、疑問が浮かび上がる事が多々あります。
出てきた疑問は今までと同じ練習を繰り返すだけでは解決しない事があり、抜け出せなくなるケースさえあるので困りものです。
中年会社員武術家JunoIwamiの場合、解決のためには新しい知識や既存の知識の転用などが必要となる場合もありますし、改めて自分に問いかけ直す必要もあります。
今回は、そうした疑問と答えの先に得た物が「いつもの基本だった」という顛末です。
●1.ちょっとした疑問と知識による答え
●2.新しい疑問と調整
●3.そして答えは基本に戻る
考えに考えて、悩んで悩み抜いた先にあるものが「いつもの基本」だったりすると、膝から崩れ落ちそうになる脱力感と無力感を感じますが、もう一周回ってくると、返って発奮してきます。
…誰ですか「マゾだろ」と思った人は?
目次
<<経験と知識と練習が疑問と答えを生む>>
疑問が出る事は怖い事ではありません。
自分が取り組んだことが深くなればなるほど、疑問は多く湧いてきます。
それは、経験が、知識がどんどんと溜まってきたからです。
発生した疑問とそこから得た答えはまた新たな疑問を呼び、それにまた答えていく…
こうしたサイクルに乗りながら日々の取り組みに繋げていきます。
●1.ちょっとした疑問と知識による答え
例えば先日の話ですが
「形意拳の崩拳(ぽんけん)だけど、打つ時ってどの辺まで肩を出すのが適当なのだろう?」
という疑問がありました。
これについての明確な答えは決まっていませんが、いくつかの要項(守るべき事)の中には腕全体に言及する内容が含まれているため、それにを基準にして取り組みました。
「要項」については、先生から教えてもらったり、自分で勉強して書籍で調べたり、最近は映像や動画でも説明されているので、情報には事欠きません。
この時は、こうした要項(知識)を答えとして疑問解決に取り組みました。
●2.新しい疑問と調整
要項をそのままやるのは難しかったのですが、それでも肩周りの使い方について大よその見当がついたので、そのまま練習を続けます。
「あれ、待てよ?この状態でまともに打ちこんだら、肩を痛めないか?」
新しい疑問が出ました。
試しに大きめのミットや壁を押してみたりしましたが、今までより肩への負担が大きく感じます。実際に使うにはちょっと不安が残ります。
そこで、要項を守つつ、肩への負担を上手く逃がすように、全身の関節や筋肉、骨格も含めて調整していきました。
今度は知識というより自分の体についての経験値を答えとして新しい疑問の解決に乗り出します。
その結果今までより、正面から見て体を僅かに斜めに構えるようにする事で、肩への負荷は軽減しました。
●3.そして答えは基本に戻る
要項を守るには、やや大きな変化が必要でしたが、その後の体の調整はそこまで大きな変化ではなく、意識を少し集中すれば維持できる程度の物でした。
その後、改めて自分の姿を見てみますと
「あ、基本だわ、これ」と口に出てしまいました。
どうやら知らず知らずに自分の癖が出てしまい、基本の形についてもズレが生じていたようです。
普通に続けていたら、その癖はより強固になってしまっていたでしょう。疑問について取り組んでよかった。
このように、ちょっとした疑問を取り上げて修正していったら、最終的に基本に戻ってきたというケースは結構あります。
もしくは取り組みを続ける事で基本という単純な形が、よりレベルアップして戻ってきたと言い替えても良いです。
<<単純な動きに落ち着くところ>>
どんどん疑問を持つという事は、自分の中にある未知の分野を開拓するチャンスでもあると思っています。
ちょっとした変化を見逃さず、それらについて丁寧に対応していくことで、体はその取り組みに答えてくれることを私は知っています。
そして、その最終的な落ち着き先は、概ね単純な動きで会ったり、「基本」だったりします。
先生から習った「一番初めに習った事」に帰ってくる度、「ああ、まだまだ先は長いなあ」と思い、もう一度基礎から見直そうと燃え上がるのです。
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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す 岩見より