みよりふるさと体験村ソロキャンプ2 温泉とビールと静かな眠り(2020年6月〜日光中三依温泉男鹿の湯)
3ヶ月ぶりのソロキャンプで訪れたのは、栃木県日光市の中三依(なかみより)温泉に併設されているキャンプ場「みよりふるさと体験村」。
到着から午後にかけて十分に楽しんでいたら夕方になりました。
(その時の様子はこちらの記事をご覧ください)
これからは夜の部です。
メイン施設である温泉に入っていきます。
ちょうど良い湯加減は心と体にしみわたりました。
温泉後のビールはまさに生きがいと言えるほどの美味しさでした。
虫の音を聞きながらの静かな就寝は都会から離れて一人でいるソロキャンプだからこそ味わえるものでした。
目次
(ほぼ)貸切り温泉に大満足
陽も傾いてきた夕方、17時から温泉に入れると聞いていたので温泉へ行きます。
普段は平日不定休(というかやってないらしい)のところ、今日は運良くやってくれたらしい。
入浴料600円を払って浴場へ。
浴室は男女別で内湯がひとつずつ。
露天やサウナはありませんが、内湯がそこそこの広さがあるのでくつろぐには十分です。
(シャワー、浴槽定員:約6名程度)
泉質はカルシウム・ナトリウム硫酸塩泉
自家源泉100%(源泉温度25℃のため加温・循環・消毒・適宜新しい源泉を投入)
湧出量:毎分270リットル
そしてなにより
ほぼ貸切状態!!
(他のお客さんがほとんどおらず、わずかにいた人たちはグループなのですぐに上がっていきました)
この偶然の貸切状態にテンションが上がる上がる
しっかりと堪能させてもらいましょう!
汗を流し、体を洗っていざ浴槽へ
高い天井をぼーっと見上げたり
広い窓から見える風景を楽しみます。
わずかに硫黄臭のする柔らかい水。
実に良い湯加減です。
体と心に気持ち良い。
くぅー、しみるなあ。
ぬるめのお湯なのがまた良き。
長湯が好きな私にとっては極楽です。
浴槽で温まっては出て、しばらく休み
そしてまた入る。
それを何回も繰り返していい感じにホカホカになったところで上がります。
いやあ、本当に気持ちよかった。
温泉の温度がもたらすツルフワ肌
風呂から出て肌を触ってみました。
「ツルフワ」です。
もう一度言いますね。
「ツルツル」ではないんです
「ツルフワ」です。
肌がツルッとしているもちろん
フワッと柔らかいのです。
まるで低温料理で暖められた鶏肉のような柔らかさ。
その理由はこの温泉の温度と推測します。
中三依温泉男鹿の湯は
1. 源泉温度が低い(25℃程度の冷鉱泉)
2. 温泉成分は薄めない(浴槽に源泉100%でためてからボイラーで循環加温)
です。
この低い温度の源泉の加温具合が「いい感じのぬるめ」なのです。
熱いわけでもなく
低いわけでもない
体が温まるちょうど良い具合
草津温泉では熱くて長湯ができなかったわたしにとって「浸かり続けていたい」と思わせる絶妙な温度。
さすが日本全国1,000箇所以上巡った店主が提供するだけはあります。
体に負荷がかかりにくい温度がわたしの肌と体にフィットしたのでしょう。
(源泉温度が低いので沸かすために過剰なコストをかけたくないという思惑もあるかもしれませんが、わたしにとってはいい具合だったのです)
正直に言ってキャンプより大きな満足を得られました。
次に来るときは温泉メインで来たい。
そう思わせてくれました。
焚き火をやめてBAR(食堂)に行こう
温泉から出た後はテントに戻りました。
焚き火タイムにでもしようと思ったためです。
しかし、この後に雨が降るか降らないかわからなかった状態だったので焚き火は中止しました。
「ふむ、どうしたものか」
少し考えたのち温泉施設内にあるBAR(食堂)に行き、お酒をいただきながらスタッフの人と会話を楽しむことにしました。
テントで一人過ごすのも悪くはないのですが、初めて会った者同士でする会話はそれはそれで楽しいものがありそうです。
よし、そうしよう。
再びテントから出て、出てきた温泉施設にUターン。
「ども、お酒いただきたいのですが、まだやってます?」
いつものソロキャンプとは違う夜の始まりです。
温泉後のビールの美味さは格別だ!!
ビールを一杯注文し
ひと口、口に含む
「!!!!!!」
美味すぎて数秒間、声が出ない。
ああ、これか
これが「風呂上がりの一杯」というやつか
口の中で弾ける泡
喉を通る気持ちよさ
体に染み渡る水分
鼻に抜けるビールの香り
恍惚
愉悦
世の社会人が風呂上がりのビールに生きがいを感じているのを不思議に思っていたが、これは仕方がない。
美味すぎる。
人生最高すぎるな。
きっと幸せな顔をしている。
BARでのひととき
その後はお店の人と話をしていく。
キャンプ場と温泉の素直な感想を伝えたり
今日たまたま温泉を開けた理由を聞いたり
温泉メインの施設がキャンプ場を併設するようになった経緯を聞いたり
などなど
話が弾みました。
BARの奥には広間とライブラリもあります。
温泉やこの地域の本などが並んでいて、ゆっくりと読んでいきたいと思いました。
一人だけど孤独じゃない
静かではないが騒がしいわけじゃない
ソロキャンプにおいて、こうした夜の過ごし方もありだなって思いました。
虫の声を聞きながら
20時をすぎるともうあたりは真っ暗。
ビビるくらいに暗い。
もしも今日が晴れだったら星空が拝めたのだろうけど、残念ながら曇り空。
まあ、雨が降らなかっただけよしとしよう。
テントに戻って就寝です。
寝袋の中に入るほど寒くなかったのでそのままマットに寝転びます。
横になって目をつむり、周りの音に耳をすます。
とても静か
でも音がないわけではない。
鈴虫や遠くカエルの声が聞こえてくる。
生き物の生きるための音だけが身の回りにある。
人の喧騒や生活音は一切聞こえない。
そこに「心地よい静けさ」を感じる。
思い返すと山の中は時間帯によって生き物の種類や声が変わっていたのに気づく。
昼には鳥が鳴き、午後に暑さが強くなるとセミが鳴く。
陽が傾いてくるとなぜかウグイスが歌い、セミの声もカナカナと変わっていた。
アブの羽音は全く聞こえなくなり、鈴虫とカエルの季節感たっぷりの声が聞こえる。
自然の中は絶えず流転しているのを実感する。
ふうっと息を吐く。
静けさの中、人との関わりのないテントの中で自分を振り返る。
いつもどれだけシャカリキになって働いているのかがわかる。
そこに浸かって染まって
抜け出せない閉塞感があたり前になっていた自分に気がつく。
人の世に執着している自分に気づく。
そこから離れたいという欲求が湧き上がる。
もっと草花や自然に接する時間と機会を増やしていきたい。
そして自分自身に帰る時間を作ろう。
そんなことを考えながらそろそろ寝ようと息を吐く。
体の力を抜き、心穏やかに意識を落とす。
せめて今は穏やかな眠りを。
<中三依温泉ソロキャンプの記事です>
みよりふるさと体験村ソロキャンプ1 風景と食事と川の光(2020年6月〜日光中三依温泉男鹿の湯)