視野の範囲と行動制限~中年会社員武術家が足の小指を柱にぶつけなくなった理由

創造と工夫、心に明かりを
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さて、
以前の私は、時々人とぶつかったり、足の小指を柱にぶつけて悶絶する事が多かったのですが、いつからかその数が激減し、今ではゼロとなっています

その理由を考えますと、やはり武術の練習、特に「視野」について気をつけて取り組んだためだと思います。

今回は、そうした「視野の範囲」についての話をしようと思います。

●1.視野の狭さと集中力増加
●2.視野だけの集中力は弱点を持つ

中年会社員武術家JunoIwamiは、視野の範囲と行動の関係について、ようやく理解してきました。

目次

<<●1.視野の狭さと集中力増加>>

基本的に視野の範囲が狭い程、集中力は高まります
これは目に映る対象をコレと決めてしまうことで、ノイズとなる他のものが目に入らなくなるためです。

例えば、今にもこぼれそうなコップ一杯の日本しゅ……、水があり、その水をこぼさないように持ち歩くためには、視線をコップに固定します

そうする事で水面の変化に集中して他の事に気を使う事がなくなりますので、こぼれそうになった時に足を止める事が出来ます。

また別の例として、100メートル先のゴールだけを見て走る状況はどうでしょう?
視線を定め、他の事を気にせずに済むため、集中力はグッと増します
思う存分、真っ直ぐに走る事が出来るはずです。

このように視野の範囲と集中力にはある程度関連性があります。

<<●2.視野だけの集中力は弱点を持つ>>

ただ、こうした視野の範囲に頼った集中力増加には重大な弱点があります
それは周りの状況が見えない事、そのため動きに制限がかかる事です。

例えば水をこぼさないようにコップに集中すると足元が見えなくなります
そのため何かにつまずいて転ぶ確率は高くなります
また移動する動き自体遅くなりますので、他にやるべき事があっても出来ません。

視線を固定して100メートル走る場合は、確かに「速さ」はあります。
しかし全速力で真っ直ぐに走る事は出来ますが、横合いからの邪魔に対応する事は難しいです。

前に視線が固定されているため、直前まで横や後ろに何がいるかが分からないためです。
目標自体が動いてしまう場合もありますので、そうした時の急な動きに対応する事も咄嗟にはできません

その結果「目標達成は出来ても、他がおろそかになるよね」と言われる破目になります。

<<視野を広くして行動しよう>>

視野が狭くなると、他の事に考えが至らなくなります
ですから何度も足の小指を柱にぶつけたり、振り返りざまに人にぶつかったりしていました。

武術を練習するようになり、しばらくすると視野を広く保つ必要性が出てきます
そのまま練習を続けていると視野が広くなりますので、人が近づいて来たり障害物がある場合に従来より早く気が付くようになりました

また何気なく見ている景色や日常も、少しだけ視野を調整することでまた違った姿を見せてくれます

とても地味な事ですが、日常生活の彩りを捉えるためにも、少しだけ顔を上げて、視野を広くすることが重要だと分かった一幕でした。
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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す  岩見より