スワイショウと足振りは素早く体を温め武術の稽古をするのに外せない準備運動です
1月5日朝、その日は仕事始めだったので朝稽古にあまり多くの時間を使うことはできません。
こういう時はストレッチ効果が高く、血流も良くなる準備体操を用意することで、素早く稽古出来るようにしています。
今回はこうした時に使える準備体操を二つ紹介します。
ひとつは腰回りを捻る運動「スワイショウ」
もうひとつは下半身の大きな筋肉を使う「足振り」
負荷も低くやり方も簡単なのでオススメです。
目次
腰をまわして腕を振るスワイショウ
スワイショウは足を肩幅に開いた状態から左右に腕を振りながら腰をねじる運動です。
ラジオ体操でも見られるポピュラーな運動ですね。
あまりに有名すぎて「なんだー」と思うかもしれませんが、これがなかなかあなどれない効果を持っています。
なにせ体幹部をねじっているので体側(体の横側、脇の下から下のライン)や下半身までまんべんなく動かすことになります。
腕は遠心力がかかっているので指先にまで血が届くのがわかります。指先の冷え対策にも使えます。
様々な運動や武術の稽古でも取り入れられているので人類共通の効果を持ってるといえるでしょう。
やり方も簡単です。
はじめはゆるやかに、小さくねじることから始めていきます。
少しずつ勢いを増していきます。自然と腕も大きく振られるようになっていきますので、そのまま自然に勢いに任せていきます。
だいたい30〜50回くらいやっていれば効果を感じるでしょう。
終わり方も、少しずつ勢いをゆるめていきます。腕の振りも少しずつ下がっていき、やがて腰の両脇に落ち着いたら終了です。
スワイショウで気をつけていること
高い効果を持つスワイショウですが、やる時にふたつほど気をつけています。
ひとつは「重心を真ん中に置いたまま腰をねじる」こと。
時々腰をねじるたびに左右のどちらかの足に重心が移動しそうになりますが、これをやってしまうとねじることのできる筋肉の距離にブレが出るので効果が薄くなります。
私はできるだけ物事は効果的にやりたいので、基本的には重心は中央に置いています。
もうひとつは「腰の角度」です。
人間の姿勢は左右対称にはなっておらず、どこかに「ねじれ」が生じている場合があります。
そのねじれを気にせずにスワイショウをやっていると効果が薄く、ひどい場合は腰痛の原因にも繋がります。
腰の角度は腕の振りが水平になっているかを目安にするとわかります。
自分が水平にねじれているかを見ていくことで端から端まで満遍なくねじり、回せているかということを確認しています。
足の筋肉を気持ちよく動かす足振り
足振りは名前のとおり前後に足を振る運動です。
振る方の足の力を適度に抜いて振る、ごくシンプルな運動です。
下半身、特に腿の裏や体幹部という大きな筋肉を適度にストレッチするので効果も高くおすすめです。
足先への遠心力も加わるので血行促進にもなります。
以前座り仕事の多い人にこのやり方を教えたところ「とても気持ちが良い」と好評でした。
どうやらこわばりやすい筋肉へのアプローチとしても有効なようです。
やり方についてはこちらも簡単です。
まず片手を真横に伸ばして、手のひらをカベにつけます。
足を振る時にバランスを崩して転倒しないためです。
次に壁についた手とは反対側の足を力を抜いて前後に振ります。
プラーン、プラーンさせます。
足を振る高さは低く、幅も小さくていいです。
つま先をやや立てて、まずは軽くプランプランと10回くらい足を振ります。
次にスネや膝の高さを目標にして前方にプランプランと10回くらい足を振ります。
前方に振ることを意識します。後ろに振り上げる必要はあまりありません。
10回ずつ程度やると足や体が「ゆるやかに伸びている」なんともいい感じになります。
ある程度やりましたら少しずつ足を振る幅を小さくしていきます。
両足が揃う程度になったら終了し、左右の足と手を変えて同じように足振りを繰り返します。
私の場合もう少し負荷を上げていきます。
この辺りから、プラプラという足振りがブンブンという足上げのようになってきます。
つま先をやや立てるのは同じにして、腰の高さを目標にして前方にブンブンと足を振ります。
上げた足と、支えている足にそれぞれ適度なテンションが生まれるのを感じながら自分の足を振っていきます。
上げる足の高さを胸、頭と少しずつ上げていきます。
足を振る回数やスピードについてはその時々に寄りますが、20回もやればそれなりの効果を感じます。
左右の足を変えてもう1セットやっていきます。
私の場合はバランス感覚の養成も兼ねて壁には手をつかないで足振りをやっています。
足振りで気をつけていること
足振りをやるときに気にかけていることも二つです。
ひとつは腰への負担につながる反り腰にならないことです。
足を高く上げようとして強い反動を利用すると、後ろ側に過剰に振ってしまうため骨盤が反り腰になります。
それだとどうしても腰椎に負担がかかり、腰痛に繋がります。
もうひとつは無理して足を上げないことです。
上の腰痛のこともあるのですが、無理に足を上げても体の中の力のながれ(連動)が崩れるため効果的とは言えなくなるためです。
せっかくやるなら気持ちよく、効果的にやっていきたいです。
簡単な運動でも効果は高い
今回紹介した二つの運動は動作自体はとても簡単です。
体を動かしながら適度なストレッチと血流の促進ができるのでウォーミングアップとしての効果は高いと言えます。
他の準備運動と組み合わせながらできるだけ早く稽古に移るために、こうした内容をいくつもストックしています。