一人でも視界範囲を広げる練習法~自転車で遠くを見る事の武術的効果

創造と工夫、心に明かりを
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さて、
もともと集中すると視野が極端に狭くなってしまうという弱点を持つ中年会社員武術家JunoIwamiは、広い視野を確保するために「八方目(はっぽうもく)」を練習しました

そのおかげで武術におけるナイフへの対応や多人数を相手にした時練習に打ち込むことが出来るようになりました。

八方目の練習方法は基本的に二人一組でやるものですが、この練習を一人で日常的に行うためにはどうすれば良いのだろうか

この悩みを解決すべく行っているのが、自転車に乗りながら視野を広く保つ練習です

●1.空と地面と立て看板
●2.意外に多い武術につながる気づき
●3.日常から心地良さを受け取る

やり方は簡単ですが、やってみると自分の日常の中にはまだまだ練習に利用できる事があると分かり、ウキウキしてきます。

目次

<<●1.空と地面と立て看板>>

歩いたり走ったりするときに「遠くを見るように」とは言われますが、単純に遠くを見るのではなく、もう少し対象を明確にしてみました。

a.上方は空の色と雲の形が分かるようにします。
b.下方は地面の側溝や凹凸が分かるようにします。
c.左右は広く、立て看板や幟(のぼり)を視野の端に捉えます

遠く眺めながら走り、近づいた時にどの範囲までなら雲や立て看板が視認できるかを観察していきます。

<<●2.意外に多い武術につながる気づき>>

自転車で視野を広く保ちながら走っていると、武術の練習に利用できるのではないかと思う事が多くあります。

空では太陽が輝きます。逆光のまぶしさに驚き、戦う時にはこうした状況を避けようと思い至ります。空を飛ぶ鳥が横切る事で、自分の視界範囲と相手への反応速度が分かります。

地面は目に見える範囲とタイヤが地面を踏む感覚から、見た目の印象と路面の様子の違いを考えることが出来ます。段差を超えるタイミングが予想より早かったり遅かったりと、予想と実際のズレを把握していくことが出来ます

左右の視界については最も良い練習になります。
はためく幟(のぼり)は視界の端の異常を察知する練習になりますし、不規則な動きは避けるタイミングを計る事に役立ちます。

急に飛び出してくる子供や車。危険ではありますが、予兆はありますので心とハンドルと重心に準備を施します。
日傘を差し、風にヨロヨロとふらつきながら逆走してくる自転車は、面白いくらいこちらに突っ込んできますので、タイミングを見て回避します。

意外とエキサイティングな自転車の運転に心が躍ります。

<<●3.日常から心地良さを受け取る>>

そこまで武術ばかり考えて疲れない?と心配してくれる優しいあなた。
大丈夫です。日常にも恩恵があるのです
この視界の広さはとても心地良いのです

目に映る空の青さは心にしみわたります
ナイフで切り取ったような雲は空とのメリハリを示しています。

鳥や草花は季節を感じとる事が出来ます
子供が飛び出してくるのは元気な証です。

見知らぬおじさんが険しい顔をして歩いていても、軽く会釈をするとハッとした様子の後、笑顔を返してくれます

そんな日常がとても心地よいのです。
そうした景色は、視界を狭めては把握できないのです。
これらは私にとっては間違いなく恩恵なのです。

<<一人でも練習できる工夫を>>

中国拳法では一人で型の練習をするというケースが多いです。
そのため二人以上いなくても出来る練習方法を考え、実行していく事は楽しみだったりします。

何かをやろうとしたとき、「○○でないと練習できない」という状況があっても私はあきらめません。
工夫を凝らし、想像しながら目的に向かっていきます。

そのおかげで日常に恩恵を得る事が出来るのなら、それはとても素敵なことだと思うのです。
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立ち止まっても倒れても、また人は歩き出す  岩見より