形意拳の二大流派~河北派と山西派は地域名として分かれています
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創造と工夫、心に明かりを
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さて、中年会社員武術家JunoIwamiが取り組んでいる中国拳法の一つ形意拳(けいいけん)。その特徴は単純素朴な風格から繰り出されるカウンターを主体とした技術にあります。
そんな形意拳も成立から時間が経ち、いくつかの分類、スタイルに分かれています。この辺りの流れは、太極拳が陳式、楊式、孫式などの創始者ごとにスタイルが枝分かれする状況と変わりありません。
ただ、少し違うのは形意拳の場合は地名が先に入ることです。今回はそんな形意拳における二大流派・系統の紹介です。
●形意拳の二大流派
◆1. 河北派形意拳
◆2. 山西派形意拳
目次
<<●形意拳の二大流派>>
中国という国は非常に広く、日本で言う「県」の上にもう一つ「省(しょう)」という地域区分があります。 今回紹介する二つの流派は、その「省」の名を持つ流派と言えます。
◆1. 河北派形意拳
中国の首都「北京(ぺきん)市」を囲むように存在する「河北(かほく)省」で伝わっている形意拳です。
形意拳には心意六合拳(しんいろくごうけん)という源流があり、そこから形意拳として今の形になったのはここからと言われています。
特徴は、型がシンプルかつコンパクトにまとまっており、カウンター技術も高度に洗練されていることが挙げられます。
◆2. 山西派形意拳
河北省の西に位置する「山西(さんせい)省」に伝えられている形意拳です。
中国人の得意とする「混ぜる」という考え方がここでも発揮され、八卦掌(はっけしょう)など他の拳法の技法や練習法が見られます。
河北派形意拳より構えや動きが大きくなっており、同じ形意拳でありながら違う風格を持っています。
中年会社員武術家JunoIwamiが取り組む形意拳は馮正宝老師より習ったこちらの形意拳になります。
◆別伝. 河南派形意拳
河北省より南に位置する河南(かなん)省に伝えられる形意拳です。形意拳の源流と言われる心意六合拳とほぼ同じ構成となっています。
<<地域と歴史を背景に>>
今回は形意拳における二つの流派・系統について説明しました。
それぞれに地域や人、武術を練習する環境が違ってきます。
どうやって人と出会い、練習を積み、一流一派の礎となったのか、私はそんな工程にとてもロマンを感じるのです。
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