余韻ある充足感を得られた草戸山ハイキング〜2021年5月東京、神奈川

山登りの魅力にはまりつつある岩見です、ごきげんよう。

2021年5月、友人からの誘いを受けて山へハイキングにいってきました。

場所は草戸山(くさとやま)。
東京都町田市の最西端に位置し、八王子市、神奈川県相模原市の境界線上にある標高364メートルの山です。

東京における山登りで有名な高尾山と同じ駅から始まるのですが、高尾山と違って静かに山登りが楽しめるとのこと。

久しぶりのハイキング
正直尻込みしてましたが、やってみたら実に気持ちが良い。

凹凸のある道を踏破する感覚
身体コントロールに集中できる状況

行き交う人たちとの交流
一緒に歩いてくれる友人とのやり取り

すばらしい眺めを見て
瑞々しい空気を吸い込む

一つ一つの体験と分かち合うことの嬉しさが心身を駆け巡ります。

昔の経験から「山登りは苦痛」というイメージがありましたが良い意味で覆りました。

人と関わることで苦い記憶と体験は上書きすることが出来る。

大きな充足感を得られた草戸山ハイキングでした。
正直、また登りたいものです。

目次

山登りは苦手です

のっけからなんですが、わたし個人としては山登りは鬼門といってもいいほどやりたくないイベントです。

幼少期にクソ暑い中無理やり連れて行かれ
散々歩き回された挙句ようやく休憩&昼食

せめて食事くらいはと、お弁当のフタを開けたら中には緑色の物体

暑さでおにぎりにカビが生えていました。

なんてセンセーショナルな色彩。
あのビジュアルは忘れられません。

「ここまで来てこの仕打ちかよ!」とがっくり。
膝と心を折るには十分な衝撃でした。

疲れる、つらい、意味がない
なにより達成感がない。

「山なんて、大っキライだー!」

行かされるたびに受け取るイヤな感覚にすっかり山登りが嫌いになりました。

人の誘いを断らないと掲げた2021年

ここまでイヤイヤな気分を抱える山登り

「山なんか登らなくても人生謳歌できるさ」と油断していたある日、友人からの誘いが来ました。

「山、登らない?」
え~~~~~〜〜〜

しかし「人からの誘いを断らない」を掲げた2021年
これを断ったら自分に申し訳が立たない。

「・・・・・・行く、かあ」

こうして実に35年ぶりくらいの山登り(ハイキング)に行くことになりました。

「ほんっとに初心者だからね!無茶とか絶対ヤダヨ!!」と事前に散々言い募ったおかげか
誘ってくれた友人は草戸山という実に良い塩梅の山を選んでくました。

心より感謝です。

到着、高尾山口駅

事前の連絡で持ち物などを確認しつつ
なんやかんやでハイキング当日

ここが「山登り初心者なら必ず登る」と有名な高尾山の駅。

人が大勢います。

ほとんどの人が改札口を出て右に歩いていく。
高尾山の登山口がそちらにあるようです。

友人と合流後、わたしたちもそちらに向かうのかと思いきやそうではないらしい。

むしろ逆、改札を出て左に折れて歩き始める。
そのまま住宅街の様相を見せる道に入ります。

どんどん山から遠ざかるルートに頭の中は「???」な状態でした。

草戸山(くさとやま)入山

「ここが入り口です」と友人が指差す。

え、ここが登山口?
いやどう見てもただの家の裏の小道ですよ。

言われなかったら100%素通りしますよ。

(あまりに生活感があるので写真は加工してお届けしてます。)

しかしまあ、もっと、こう、なんかありません?
「これから山に登ります」というものが。

物々しいゲートなような存在をイメージしていただけに、結構なカルチャーショックを受けました。

会話とルールとウォーミングアップ

なんのかんの言ってもハイキング。
進み登らなければなりません。

道を登り始めると、やはり山です。
地元の東京都北区では見られない土の上り坂が出迎えます。

歩きながら友人が山登りのルールを教えてくれます。

登る側は崖側と山側のどちらを歩くか

後ろから来た人に道を譲るときはどうするか

向かいから人が来たときの声がけ
などなど

普段からやっている人なら当たり前かもしれませんが、わたしにとっては新鮮です。

新しい世界を見聞きするのはいつも楽しい。

楽しみながらもそこそこの勾配を登るわけなので良いウォーミングアップになりました。

草戸山ハイキング~楽しさに集中できた

ナンバ歩きで凹凸と坂を乗り切る

地面の凹凸は数知れず
主に上り坂で時々下り坂

足元に気をつけながらの歩みは都会の道路では味わえない体験です。

普通に歩いていてもいいのですが、それだと捻る動きが発生するため疲労が蓄積されそうです。

これから数時間は歩くので体力は出来るだけ温存したい。
ついでに言うと楽して山を登りたい。

そんなわたしが選んだのは「ナンバ歩き」

「ナンバ歩き」は同じ側の手足が同時に動く動作として知られています。
手と足が同時に前に行く感じのイメージの歩き方です。

わたしの「ナンバ歩き」は一般に知られているものとは少し違っていて、胸部のコントロールが同側の足と連動するというもの。

参考にしている「ナンバ歩き」のURLを載せておきます。

身体コントロールを使って凹凸のある道を踏破する感覚は達成感があります。

なにより疲れないのがありがたい。

かつて疲労困憊になっていた山登り。
今はとても楽に登れている。

昔のイヤな記憶が今の心地良い体験に上書きされる。

誘ってくれた友人と、誘いに乗った自分がいたからこそ、良い結果を得られました。

休憩と交流

適度に歩いて適度に休憩。
初心者のわたしでも歩けるようにと友人が気を使ってくれます(感謝)。

歩いている人から声をかけられたりもします

どのルートで来たか
どのルートで抜けるか

今どこそこの道はどうなっているのかといった情報が交わされていきます。

実に清清しい人間関係です

写真をとるのが楽しい

周りの景色はわたしの目を楽しませてくれます。

木々に囲まれた環境は実に心地良い。
キャンプとは違った風景です。

足を止めて写真を撮ります。

名前の知らない花

うっそうとした木々

木漏れ日

小さい芽吹き

ぽつんとある鉄塔
この鉄塔はいまも使われているのだろうか

並木道を登るとやがて見晴らしの良い場所に出る。

頂上手前の少しだけ開けた休憩場所
大きな荷物を背負った人たちもいます。

頂上に着いたら軽食でも食べようと思ったけど出来ませんでした。

そこかしこで黒い毛虫が絨毯爆撃のように頭上から降ってくる
服やリュックにいつの間にか着地して、うねうねと這いのぼってくる。

気にならないといえばならないけど
食べてる最中に食材の上に落ちてきたら殺意の波動に目覚めそうです。

場所を移動してもう少し先の東屋に行ってから休憩することにしました。

やがて湖(貯水池?)が見えて件の東屋を発見
休憩に入ります
(黒い毛虫はいるけど許容範囲とみなします))

お茶を飲んで一息
買っておいたおにぎりやパンを食べます。

「うん、今回のおにぎりはカビてないや」

子供の頃のイヤな記憶がこうして大人になったあとの実体験で上書きされます。

山の空気
登ってきた達成感

その全てが美味しさにつながります。

道も静かで心が落ち着き
適度な凹凸が良い運動になる。

ただ歩くだけ
その集中の世界の居心地の良さは格別。
都会の喧騒の中では味わえません。

そうした感想をあらためて友人に伝えます。
「ありがとう、本当に来てよかった」

降りる道も穏やかにのどかに

食事を楽しんだ後は山を降りることになります。

木々の間から見える景色は町並みに変わります。

遠くまで続く町並み
人々の生活県内に戻ってきているのを感じます。

湖を過ぎ
峯の薬師に着きます

高台から見える神奈川県相模原市を見ると随分と歩いたのだと感慨深いものがあります。

ここまで来ると直ぐ街道です。

石段の傍に見える小さく苔むした石碑石仏。
そこに刻まれた年月と人々の思いを想起しながら歩くと「峯の薬師表参道口」に出ます。

アスファルトの道に出て進み
のどかな風景をながめながら歩いていきます。

長閑(のどか)
しばし時間を忘れてこの空気の中にひたっていました。

心を豊かさをもたらす風景を楽しんだあと、再び歩き始めます。

橋を渡り
竹林を抜け
湖に圧倒されながら町に戻る。

心地良い疲労感が体に巡っていました。

山が好きになった草戸山ハイキング

あれだけ嫌がっていた山登りもこうなってしまうと終わってしまうのが惜しいです。

山登り、ハイキング
本当に気持ちよかった。
山が好きになりましたね。

キャンプが好きなのに、山登りに限っては過去の経験から敬遠していました。
今回のハイキングのおかげで良い感じに覆されました。

苦手意識が好きに変わるという面では2021年のSUPと同じような経路を辿っていますね。

草戸山は人が少なく
静かに集中して歩くことが出来ました。

行き交う人たち
一緒に歩いてくれる友人

すばらしい眺め
瑞々しい空気

一つ一つの体験が今までにない感覚となって心身を駆け巡ります。

初心者を誘ってくれた友人に感謝を
誘いに乗った自分に賞賛を

最後に銭湯で手足を伸ばして疲れをほぐし、家路につきます。

大きな達成感と満足感を胸に抱きながら、充実した一日を終えることが出来ました。

<関連リンクです>

苦手意識から楽しさへの手のひら返し(SUP)

<外部リンク>
町田市の最高峰 草戸山