メンタルヘルスという業務と関係ない勉強会を開くために一社員が整えた準備について
会社に勤めながらわたし自身と周囲の人たちのメンタルヘルス向上を目指して活動中の岩見です、ごきげんよう。
ふと思うのですが、会社のなかでいきなり「メンタルヘルスに取り組みましょう」と申請するとします。
この時に乗り気で動いてくれる職場はどのくらいあるのでしょうか?
わたしはそこにあまり積極性は見られないだろうと予想を立てていたので念入りな下準備から入りました。
順番としては下のような流れでした。
1.ストレスと健康についての話をする
2.関連する資格を取得する
3.証拠ではなく根拠を示す
4.チャンスを活かして勉強会を開く
5.勉強会を継続しながら深く広くしていく
やや遠回りに思うかもしれません。
時間もかかります。
しかし誰もやらないうえに業務とは直接関係のない「社員の精神的な健康、ストレスの実情と結果」などといった話題をただの一社員が説明しようとすると、それ相応の取り組みが必要だと思いました。
今回は、どうやって業務と関係のないように見える「働くひとのメンタルヘルス」という内容の勉強会を開いていったかを話します。
目次
ストレスと健康についての話をする
会社側のハードルを低くすためのスタートアクションです。
仕事の休み時間や飲み会の時にストレスと健康についてちょっと話を切り出します。
誰でも持っているストレスと影響について。
ストレスの予防法や対処法について。
そうした内容をもりこみながら話ができる機会を持ちます。
「ああ、岩見はそういう話がしたいのだな」と相手に思わせる程度でいいのです。
関連する資格を取得する
ストレスや精神的なことに関する資格を取得します。
わたしはメンタルヘルス・マネジメント検定試験を選びました。
(外部リンク:大阪商工会議所 メンタルヘルス・マネジメント検定試験)
この資格はⅠ~Ⅲの3つの種類があります。
Ⅲ種(セルフケアコース)は一般社員にむけた内容です。
Ⅱ種(ラインケアコース)は部下がいる、グループ長であるなどの自分以外の人がかかわる人に向けた内容です。
Ⅰ種(マスターコース)は経営者や人事部の人に向けた内容となっています。
国が発表するデータから始まり
関連法規、予防する目安、対症療法などについての知識が身に付きます。
わたしはⅡ種とⅢ種の二つを取得しました。
現在はⅠ種(マスターコース)取得に向けて勉強中です。
また一部ですが衛生管理者の資格とも内容がかぶっています。
身体的な健康や法規的な内容が繋がりやすいので一緒に持っておくのも良いかもしれません。
証拠ではなく根拠を示す
「そのストレスの話はどんな学会や権威が発表しているのか?」
会社で話をする場合はこうした権威の部分に着目される場合があります。
そうしたツッコミへの対応にはいつ、だれが、どこで発表したかという証拠集めが必要になります。
話の内容や効果に焦点は当たりません。
正直なところこのような証拠集めに時間と手間をかけたくありません。
それに精神的なことやストレスについては長い期間が必要で見えない領域も多いため実質的な証拠を求めようにも難しい部分も多いです。
そのため、証拠ではなく根拠を示すことで話をスムーズにしていきます。
自分で一から十まで根拠を引っ張ってこなくても資格の勉強の途中で根拠となる情報は概ね集まっています。
利用するのは資格試験で得た知識と巻末の参考文献です。
これらをもとにまとめて示すことで権威を求める声に対応します。
チャンスを活かして勉強会を開く
ストレスや精神的な健康に向けた勉強会を開きます。
勉強会は自主開催でもいいですし、なにか別の機会でも構いません。
会議の終わりに5分だけ話をするだけでも充分なきっかけになります。
終業後の開催でも構いません。
人と時間が確保しやすい機会を狙っていきます。
人数の多さや時間の多少はあまり考慮に入れなくてよいと思います。
「メンタルヘルスの資格を取ったので内容を伝えて皆さんの意見を伺いたいのですが…」というと話したいという意思と伝える内容の公正性が両立するので許可も得られやすいです。
若干怖いのですが、飛び込んでみる勇気は必要なのかもしれませんね。
そして勉強会や発表の機会になったら情報を出していきます。
ストレスは誰でも感じており
それを解決したい
予防したい
何とかしたい
そうしたニーズは結構あります。
そのニーズに合った内容をわかりやすく説明していきます。
勉強会を継続しながら深く広くしていく
ストレス、精神、健康。
これらの範囲はとても広くて奥深いものがあります。
資格試験の内容だけでも良いのですが。
質や効果にこだわる場合は限界があると感じました。
幸い私にはビリーフリセットカウンセリングという心の学びがありました。
ストレスと健康についての知識が上がり、興味がある程度確保されたところで話を深く掘り下げたり広げていくことが出来ました。
広く浅く、一般的なことから
深く、マニアックな
知的刺激と実感を伴う話に繋げていきます。
まとめ
メンタルヘルスに取り組むということは、前向きに見れば社員の幸せのためといえます。
しかし見方を変えると今の会社の体制は社員にストレスを与えていますと明言しているようなものです。
上役はいい顔をしませんし、聴く側もどこまで真剣に聞いてよいのか、同調してよいのかが分からないまま聞くことになりかねません。
そのバランスを肌で感じながら頭の中を総動員して、聴くひと、関わる人の多くが良い結果になるように取り組んできました。
まるでボードゲームのように慎重に粘り強く、意志を持ってやっていきました。
全部が全部上手くいったわけではありません。
失敗も成功も全部ひっくるめて、さまざまな手順を踏みました。
この経験を活かして今後も話をしていこうと思います。
業務に関係が薄いからといってチャンスを潰されないように
精神的なストレスで人の心が潰れないように
働くひとが健康で活き活きとした表情で働けるように
話しをしたいと思うのです。